マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

例の会@本町イタリアン

2008-03-20 05:13:04 | 

いわゆるギョーカイのレディースを中心に集まる例の会。
今回は本町の人気イタリアン「ジョバノット」。シェフ上村和世さんは
オーブンのイベントの為に東上中。む、残念。
いたら白ご飯大盛りぐらいにはしてもらえただろうに。あるか!
飲むのは拙者とD通女子の二人。あとは下戸と来る。ご勿体ない…

まずは泡。他の皆さんはミネラルで乾杯!



突き出しは定番のオリーブのフリット、アンチョビ詰。
紀州備長炭で炙ったイタリア産ベーコン。
これでスプマンテやると、たまらんち。


スープ 広島の山本さんの野菜とポレンタのスープ
お腹を温めるためとサービスの女性。ほの温かい。
見た目は、クタクタに煮過ぎた味噌汁のよう。



花付きズッキーニのフリット
花の部分にモッツァレラチーズとアンチョビフィレが入る
うんめ~!これ5本欲しい…



手作りソーセージ
ケーシンクの中に空気が入っとるぞ、こりゃ手作りの証や。
3本欲しい。



隣のテーブルの男一人、女性いっぱいのグループの声が
でかくて会話しにくいこと。だが商談、密談でもあるまいし、
ラテン系で大いに喋り食べるのは結構なことだ、と我慢す。


次なる魚料理は・・・・・・画像なし!
運ばれてきたら、一刻も早く口に入れてしまい、
撮影したつもりでした・・・
備長炭で炙ったホタテのロースト
これが大きいのなんの!沁みだしたジュースまで。


高知産フルーツトマトのポモドーロ
松の実



南イタリア・プーリア州のCantalupi Reserva Conti Zecca03
果実味があって適当にコスパでよろしゅござんす。





ここで肉料理!
ホロホロ鳥をスチームオーブンで蒸し、紀州備長炭でグリエ。
これも慌てて食べてしまい、画像ございません。
まったくもって、食い意地の張ったそこつ者で・・・
箕面で自生したクレソンと、タスマニアの粒マスタード。


ドルチェはキャラメルのジェラート チーズタルト イチゴ



エスプレッソ
拙者が始めてこの濃いコーヒーと出会ったのは高校時代、
岸和田教会にいたイタリア人神父によって。吹きそうだった。
イタリア人司祭ってのは食への誘惑は断ちがたいようで。



食後にグラッパを一杯



しかし・・・主菜2品の画像の抜けたコースは、
イントロとエンディングだけで主題がないようで、ハハ、冴えないこと。


     GIOVANOTTO   中央区博労町4-2 

 


串カツと愛郷心

2008-03-15 23:00:27 | 

井沢八郎歌う「ああ上野駅」が巷に流れた昭和39年。上野は集団就職者の拠点だった。昭和30年代、集団就職列車はせっせと田舎と都会を結び人材を送り込んだ。「三丁目の夕日」さながら町の小さな鈴木モータースの六ちゃんの如く、金の卵とおだて上げ、賃金を極力抑え、彼らの安くて豊富な労働力が、のちの高度成長の支えとなった。
故郷山形県を涙で後にし、列車に揺られて東京に来たのが、ここ「最上」の女将沼沢和子さん。佐藤隆介がその著書で、「山形出身の美人」と記した女性経営者だ。


串を置く皿は将棋の駒の形。山形・天童市は将棋の駒で有名だ。
彼女の愛郷心は随所に現れていて微笑ましい。しかも世知辛い大阪で東北というと遠くてイメージが湧かない。まして山形は行ったこともない人が多いだろう。それだけに故郷を大事に思う姿にほろりとした温かいものを感じてしまう。

最初は車海老、キス。パウダー塩で


牛ヒレ 和牛を使用。 これは濃厚なゴマソース


お勧めに従い、大浦ぶどう酒の山形ワイン。グイグイ飲める。

タラノメ 割り醤油で

看板メニューの一つ。
鶏ミンチのしそ巻き とんぶりのせ


揚物だけでは単調になってしまう、とインターバルにピンチョス風の
一品を出す。これは玉こん(蔵王こんにゃく)、柚子味噌


サーモン イクラマヨネーズ


ふきのとう 春の苦味!香りもいいが、ちょっと油を吸い気味…


他に、花山葵まぐろ巻、
マッシュルームアンチョビ詰、
ホタルイカ 田楽風
さつまいも シナモン
手羽先 八角
ベトナム風春巻 香菜、ナンプラー
じゅんさいの味噌汁
花ニラ
菜の花豚バラ
砂ずり
クリームコロッケ
アマゴ 塩
コンニャク鶏そぼろ
だだちゃ餅
かぼちゃ …などなど。
もっと軽くできるだろうと研究心をお持ちのよう。

帰りに山形の小さな民芸品を手渡される。
店は磨きぬかれたシャレたステーキハウスのようだが、
そんな通りいっぺんではない、温かいもてなしが嬉しい。
女性経営者の細やかな気配りがはたらいている。

    
      「串かつ最上」   中央区心斎橋筋2-2


新世界レビュー

2008-03-10 00:00:31 | 


北風に揺れるめしの暖簾
新世界の大衆食堂  時間が停まっている



総本家更科 ここの初代が東京で修業し、更科の蕎麦を大阪へ
広めた。各地にある更科の源流がここになる。
店内にはレジでなく帳場がある。
おかめ、けいらん、花巻・・・などのオールドファッションな蕎麦がある。
いりどりや、なたねで一杯やりたい!



通天閣 南東の角から見上げる。
通天閣の名前は作家藤澤桓夫の父、漢学者藤澤南岳が名付けた。
よくできたネーミングだ。



その足下にある「三吉うどん」。
うどん¥170 きつね¥220 今年10円アップしたからと
おにぎりを10円下げた。
通天閣の足下だが、おそろしく目立たない場所。
串カツ屋Dの店長もここのだしを愛する。



三吉うどんの斜め前にできた、新しい串カツの店。
昨年オープン「ひろたか」。
ハンチング系の兄弟二人で開いた店。
刺身で勝負したかったが客に串カツを熱望され、ついに串カツを
始めた。だだっ広い店で、ライブだってできるだろう。



同じ種だが、好みで天ぷらにもできる。こちらはアンデスの岩塩で。
お造りは一品¥300 これはお得。



通天閣から北へ上がると、放射線状に街が構成され、
小さなスナックが点在していて、その多くはゲイの店。
キタの堂山が有名になる前は、新歌舞伎座裏・難波新地。
それ以前はここ新世界北だった。
男娼が立つ陰間茶屋がいくらもあったという。
そんな歴史を引きついでいる。



この目にも眩しい看板群はほとんどアチラ系の店。
かつて、界隈で一二のベテランである「お島」というスナックに
宵の口に行ったら、ステテコ穿いたおじいさんが一人いて、
「あら、化ける前なのよ~」と恥ずかしそうに言われた。
彼も数年前、銭湯で溺れて亡くなったと聞く。



通天閣の足下のすぐ北側にある「バーBABY」。
壁に東郷星児の落書きがあることで有名。
マスター田中さんは何しろ事情通で、いろんなことを教えてくれる。
カウンターで噺家さんと一緒になることもある。
ここで串カツの喧騒を逃れ、ハイボールでクールダウン。


立ち飲み 南北問題

2008-03-09 02:26:04 | 


mixiに懐かしいおかずとして書いたら、割と反響があった「かますご」。
漢字では「叺子」と書く。藁で編んだ叺に挟み込んで運搬したことから、
関西地方ではこの名がある。
いずれにせよ春の魚だ。
なんとなく、これが酒場に出始めると、春っつう気がしてくて、
心が躍りまする。

こいつは、いかなご(玉筋魚と書く、マジに)の育ったヤツ。
決してカマスの子ではない。ソックリさんだが。


 天五中崎商店街「稲田酒店」にて。




なに、南北問題ったって、そう大仰な問題ではない。
ミナミにするかキタにするか、迷う程度の小さな問題だ。

ここは何でもスモークにして、飲ませる燻製立ち飲み。
まだ最近、開いたばかり。
スモークはちょいとトレンドだそうで、酒を選ばないのもいい。
ラフロイグやアードベッグなどのアイラ・スコッチも
ピートの燻臭がすごいから、燻製は合わないわけはないね。

ししゃものスモークと、チーズのスモーク。
ここはミナミ・千日前。
狭い狭い、温泉地の射的のようなスペースのバーだが、
カウンターの片隅でスモークしている。
「河内カルメン」のあの路地にある。お探し下さい。


   燻しバー「燻し屋三番」   南地・阪町辺りの路地 

 


頬かぶりの中に

2008-03-03 14:16:29 | 

元々、道頓堀のお茶屋にして、その後、楽器店に。
ウインドーにピカピカ輝くアコーディオンやサックスが飾られ、
モダンな譜面が配置され、さぞや丁稚さん達の目を奪ったことだろう。
食べ物屋になったのは戦後のこと。うどんで有名な『今井』だが、
本来は蕎麦屋。大層スマートだった、先代主人の矜持であろう。


     

今井の玄関は情緒満点。一本柳は中座の火事にも焼けなんだ。
その足下には「頬かぶりの中に日本一の顔」、ご存知初代雁治郎の
顕彰碑がある。この門前に南地、道頓堀の自負が感じられる。
右の立て板に「豆ご飯はじめました・・・にしめと豆ご飯」とある。シブ!
さて、先の池田の「吾妻」に続いては、こちらの・・・きつねうどん!

     

昔ながらの、四角い揚げが2枚、刻みねぎ。
たて縞になっているのはタイガース関係なし、天井の蛍光灯の所為。


だしは甘くなく、単なる薄味でもない。昆布・鰹をしっかり使いながらも
吸物のような上品に仕上げるのでなく、鰹節だけではない他の節も
掛け合わせ雑味を出し、それがある種の力強さを生む。
淡白な麺も旨く食べさせるだけの、複雑な旨味が交差する。
ああ、この感じか・・・これぞ大阪人が好んできたスーパー・スタンダー
ドな味か、の思い。


ぽってりとした揚げをギュッギュッと箸で抑えると、甘味がだしに
ジュワッと溶け出し、一層だしはまったりと変化する。
これ以上、何かを足そうとしても、思いつかないぐらい
完成された味である。


欲を言えば、丼をもっと熱の伝わらないものにしてもらいたい。
今どきの犬食いではなく、しっかりと丼を左手に持って食べたいので、
それにしたら熱すぎる。

何処の国にいるのかわからない、道頓堀の喧騒から逃げ出すには
ここが一番よろし。あの玄関から扉までの数歩、あそこが結界。
日本一の芝居処、道頓堀の情緒にじわっと浸って欲しいなぁ。
(道頓堀をこんなことにしてしまった行政のボケに実は腹が立ち…)

     
     御蕎麦処 今井    中央区道頓堀一丁目