マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

串カツと愛郷心

2008-03-15 23:00:27 | 

井沢八郎歌う「ああ上野駅」が巷に流れた昭和39年。上野は集団就職者の拠点だった。昭和30年代、集団就職列車はせっせと田舎と都会を結び人材を送り込んだ。「三丁目の夕日」さながら町の小さな鈴木モータースの六ちゃんの如く、金の卵とおだて上げ、賃金を極力抑え、彼らの安くて豊富な労働力が、のちの高度成長の支えとなった。
故郷山形県を涙で後にし、列車に揺られて東京に来たのが、ここ「最上」の女将沼沢和子さん。佐藤隆介がその著書で、「山形出身の美人」と記した女性経営者だ。


串を置く皿は将棋の駒の形。山形・天童市は将棋の駒で有名だ。
彼女の愛郷心は随所に現れていて微笑ましい。しかも世知辛い大阪で東北というと遠くてイメージが湧かない。まして山形は行ったこともない人が多いだろう。それだけに故郷を大事に思う姿にほろりとした温かいものを感じてしまう。

最初は車海老、キス。パウダー塩で


牛ヒレ 和牛を使用。 これは濃厚なゴマソース


お勧めに従い、大浦ぶどう酒の山形ワイン。グイグイ飲める。

タラノメ 割り醤油で

看板メニューの一つ。
鶏ミンチのしそ巻き とんぶりのせ


揚物だけでは単調になってしまう、とインターバルにピンチョス風の
一品を出す。これは玉こん(蔵王こんにゃく)、柚子味噌


サーモン イクラマヨネーズ


ふきのとう 春の苦味!香りもいいが、ちょっと油を吸い気味…


他に、花山葵まぐろ巻、
マッシュルームアンチョビ詰、
ホタルイカ 田楽風
さつまいも シナモン
手羽先 八角
ベトナム風春巻 香菜、ナンプラー
じゅんさいの味噌汁
花ニラ
菜の花豚バラ
砂ずり
クリームコロッケ
アマゴ 塩
コンニャク鶏そぼろ
だだちゃ餅
かぼちゃ …などなど。
もっと軽くできるだろうと研究心をお持ちのよう。

帰りに山形の小さな民芸品を手渡される。
店は磨きぬかれたシャレたステーキハウスのようだが、
そんな通りいっぺんではない、温かいもてなしが嬉しい。
女性経営者の細やかな気配りがはたらいている。

    
      「串かつ最上」   中央区心斎橋筋2-2