マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

上本町のお芝居始まる

2012-03-03 02:49:18 | Weblog


まず、役者は楽屋口から入ると、頭取部屋の前にある着到盤に、赤い印を立て、
自分の楽屋入りを記す。

歌舞伎が最初だろうが、新派や新国劇、商業演劇でもこれをやる。
これは名古屋御園座のもの。






そして傍らの神棚にポンポンと手を合わして、今日の舞台の無事を祈る。
その下にゃ真新しいお神酒が並んでいたりする。なかなかいい風景だ。
こうして役者は自分の楽屋へと向かう。






赤井英和(後輩なので、敬称略)がじっと見つめると、なんだか、パチンコの釘に見えてくる。




一カ月の仮住まいとなる楽屋。 主役級はもちろん個室が与えられるが、
若手たちは階段を下りた、船底めいた大部屋で化粧前を並べる。
大部屋俳優とはここからきたことば。





TVのように、メイクさんがやってくれる訳ではなく、本人まかせだ。
歌舞伎だってそうだ。自分で白粉をはたき、目張りを入れ、
その日の自分の体調を知り、自分の顔に責任を持つのである。
こうして化けることで、役へと憑依していく。役者とは不思議な仕事である。





左は江藤潤さん。亡くなった原田芳雄さんとの「祭りの準備」は忘れがたい名作。
悶々としたタテオの青春は、たくさんの共感を呼んだように、
ボク自身の若き日々とも重なっている。


大阪・新歌舞伎座は「天童よしみ特別公演」が始まっている。
「夫婦善哉外伝~雨やどり恋歌」。
中島らもの大番頭、わかぎえふさんの作・演出。


本当はね、真っ向からの「夫婦善哉」を見たかった。
蝶子のよしみちゃん、柳吉の赤井。


淡島千景さんのような色香はないけれど、ぜんざい屋の店先に座ってるはずの
おたやんが生きて出て来たような、気だてと愛嬌で売る蝶子は体現できたはずだ。
赤井のどうしようもない、女グセの悪い船場のアホぼんも見たかった。

森繁・淡島亡きあと、この二人の名コンビでしっかりやってまっせ、というところを
天下に見せてもらいたかったが、そこはショーバイとして
プロデューサーの判断があったのだろう。
オレは間違ってるんぢゃないかと思うんだけどね。


写真の名古屋御園座で見てから、博多座へ行き、今回は3度目。
かなり内容も詰まってよくなっているという。楽しみ・・・。


3月2日初日、~21日まで。
たまにゃ商業演劇というものにどっぷり浸かってみるのも一興。
2部の歌のオンステージみたいなのって、なかなか見る機会もなかろ?


主役になり替わりまして、どうぞ、お運びくださいますよう。
何の権利があって、そんなえらそうなこと言えるか、知らんけど・・・勝手になり替わる。


ちょっと探したら、こんなチラシしかなかった。

すでに切符買ってる方、間違えて、なんばに行かんように。