マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

シングルモルトって

2007-09-16 15:27:38 | 


向かったのは大阪屈指のバーである、リーガロイヤルのリーチバー。
ここは昭和40年開店。社長山本為三郎がバーナードリーチにデザインを依頼、河井寛次郎、棟方志功ら民藝作家の作品のギャラリーとした。
その一角にバーを設けたのが始まり。

壁は大阪らしい葦を組み合わせたり、煉瓦積。家具は英国から持ち込んだ。バー設計のお手本とさえ言われている。
他にも吉兆、なだ万、つる家など、名だたる看板を初めてホテル内に出店させた、まさにあっと驚く為三郎!大旦那、スケールの大きな先見性あるパトロンだった。

さてシングルモルトだが…大麦麦芽を原料として単式蒸留器で2度蒸留し、オーク樽に寝かせたもの。一つの蔵から作られた原酒をそのままボトリングするのでその名がある。時として個性的で飲みにくいので、クセのないグレーン(とうもろこしなども原料に加わり、連続式蒸留器で蒸留したもの)とブレンドし、まろやかに飲みやすくしたものがいわゆるブレンデッドウイスキー。ジョニーウォーカー、ヘイグ、オールドパー、バランタイン、シーバス…つまり、世界的に売れているウイスキーはほとんどがこのブレンデッドだ。

実はウイスキーは飲んでも、モルトブームからは目をつぶって跨いできた。今更憶えきれないし飲みきれない。お勉強みたいに飲むのはご免だとほぼ無視してきた。ところが実はまぁ気になる存在ではあった。
必要に迫られて、ともあれバーテンダー古澤氏の薦めで飲んでみた。

英国の北、ハイランド地方のグレンモーレンジ18年。
梨や林檎のような香り、クセのないきれいな酒だ。女性にもお勧めできる。こんな酒を一種類でも知っていると心強い。

ザ・スコッチ・モルトウイスキー・ソサエティ。っつう3万人だかの会員を擁する団体が作るウイスキー。スコットランド各地の蔵から集めたモルト同士をバッティング(ブレンドとはちがうらしい)させ、通常水で割って40~43%に調整するのだが、それをせずに樽のままの味わいを可能にしたもの。その謹厳さが英国人らしい。

ハイランド、スペイサイド、そしてアイラ島がモルトの故郷。
中でもアイラ島は潮の香りと、大麦を乾燥させる際のピート(泥炭)の
燻香の強い個性あふれるウイスキーが多い。(島中がこのピートでできている)アドベッグは最もパンチの効いたブランド。一杯グイッとやると、たちまち鼻から煙が出そうなだった。強烈!ラフロイグ、ボウモアなどアイラ島の7つの蒸留所の酒を飲み比べ、大西洋に浮かぶ島の情景に思いを馳せても愉しかろう。

リーチバーのいいところは11時から飲めるところ。朝から来て、午後にきて、夜に来るというコアなお客もいるという。洒落てるなぁ。


午食は皇家龍鳳へ。最近デビューした飲茶ランチ。メインは炒飯だとか数種類の中から選ぶ。これで小さなビールでもやれば最善の午後が始まるというもの!
デザートの杏仁豆腐はさすがのレベルだった。



  リーガロイヤルホテル  北区中之島5丁目
         リーチバー    ウェストウイング 1F
         皇華龍鳳           〃     15F


油もん禁止の青春さ?

2007-09-16 02:43:52 | 

              
先ごろリリースした拙作のレコードの二度づけとは、文字通り串カツの二度づけをモチーフにしたラブソング。ウェスタン・ジャンプブルースとでもいうべきもの。

レコード作りに協力してもらったのもあって、バンド仲間と「だるま」法善寺店へ。来月、法善寺西門前にだるま難波本店が完成する予定。

新世界で3軒。法善寺、道頓堀極楽商店街、姫路、浜松支店と破竹の勢いのだるまの串カツは、相変わらず快調。
アツアツをソースにジュッ!カリッとして、中身はフニャッ。うま!
左の5本はこれが基本の牛串カツ、上2本はじゃが芋、右はレンコン。

五味八珍、知留久、串の坊系統とはちがう、新世界串カツの元祖といっていいだろう、昭和4年創業のだるま。
ソースは共用だからよって二度づけ禁止。
江戸時代の立ち食い鮨は同様に醤油だった。飯粒を醤油に浮かせるようなヤツは最低。汚れた指を帰りに暖簾で拭いて帰ったので、暖簾の汚い店は繁盛店と目された。

左はプチトマト、火傷するようなのが旨い。上は豚肉。下は赤いウインナー。具材の組み合わせでなく、単品主義がだるまの決まり。

…と、思ったら、左の2本は鳥つくねと突込みがあった。お詫びして訂正いたしますっと。

串かつの上がりに文句はないが、やっぱり本店で一品ずつ頼めるのが性に合う。「オヤジの頃と味変わった!」と本店の客だけは言うらしい。
客は揚げ手が変わったら、すぐにそんなことを言うもんだが、あの飄々とした百野さん夫婦の醸すアトモスフィアが懐かしい。
主人の味わい、そこも含めてのだるまの串カツの味だったわけで、夫婦の境地までたどり着くのはたぶん不可能だろうから、現だるまの味を作り上げるしかない。

昭和の初め、二カツ、三カツといって、1本2銭、3銭だったという。
カツレツの流行った東京に対し、なぜ大阪では串かつが流行ったのか、そんな大衆史はだぁれも知らない、歴史にも残らない。
そんなことを少しでも知って食べるとまた味わいは変わるのだ。

外へ出たら、もう行列がズラッとできていた。
帰ったら体重確実に増加。しばらく油、遠ざけるべきか?

   だるま法善寺店  中央区難波法善寺横丁一本南