マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

大阪胃袋案内

2007-09-23 01:15:04 | 

イギリス人でパリ在住のマイケル・ブースさんというフードジャーナリストに会った。服部幸應氏や味の素に会い、だしの勉強はしてきたというし、昆布の取材に北海道も行ってきたという。関西でも菊乃井村田氏や門上氏にインタビューをするというので、日本語でも怪しい日本料理の深遠を解説するという役目は私の柄ぢゃない。というわけで、お気楽に大阪のベタ味を案内することにした。
まずは市場から始めるために、黒門へ。浪速野菜を使ったおばんざいの「招福庵」を覗き、あれこれ試食させてもらう。「みな美しみず」の社長、畑さんの顔を見たらホッとした。外国で近所の人に会ったような気になった。やっぱ、ふぐのない黒門はちょっと活気に欠ける。


海外のミュージシャンの招聘もするので僕より大分喋れる千秋女史が同行。ともかく、何年も外国の方と会話していないのでひどい戻り方をしている。聞けない、単語が思い出せない、文法がめちゃくちゃ、電子辞書は忘れる…。平目は絵に描いて説明。果物屋の店頭でもアケビ(紫のヤツ)を聞かれて、しどろもどろになった。
「ボクの日本語より100倍は上手です」とヨイショしてくれるが、うれしかねぇや。こちとら10年は学校教育で習って来てるんだぁ。

日本橋からダラダラ歩いて、恵比須町へ。まずはこっちのフィールドに引っ張り込もうというわけで、軽く串なんぞをしごいてみようと、おなじみの「だるま」へ。もちろん、由緒正しい本店でなければならない。

路地なめの、この店のカットは映画「悪名」シリーズに登場する。
前で立ち回りが行われたりした。ほんまもんのヤクザの喧嘩も店先で見たことがある。ここは昭和4年創業。新世界の串カツではおそらく最古の一軒だ。

ここはいちいち注文を聞いてくれる店舗だからいい。牛肉から始めて、
セーブしながら摘まむ。マイケルさん、この生地(練りやとも呼ぶ)を知りたがったがこれこそが店の生命線アルヨ。小麦粉、山芋など11種類が入る。油はヘット。これも通じない。今調べてみたらBeef Fatとある。ああ、電子手帳…

おなじみの大国町の立ち飲みへ。Japanese Stanndinng Barよ。
ここは魚がいい。鯛のたたきニンニク味噌だれ。鱧など数品。英国はPubなどで立ち飲みは慣れっこだろうが、フィッシュ&チップスよりは日本のアテの方が断然いいだらう。え?
東京はこの2年ぐらいで立ち飲みがバカ増えしているらしい。
やだね、アプレゲールのやるこたぁ。ここは昭和以前からやってんだ。


鱧。関西の夏~秋にはこれがつき物だなぁ。さっき黒門で見てきたとこ。マイケルは「東京と大阪で料理法が違うんでしょう」と来た。そいつぁ鰻だ。
これエノキの若大将が骨切りをした。「案外素人でもいけるもんですよ」
と。ほんまや。骨など全然触らぬ。割烹の技術で一寸に24の包丁を入れるのが名人などと言い過ぎ。案ずるに及ばず。勧められるまま山葵醤油で食ったら旨かった。酒は福島のあさ開。


西成区長橋にある豆腐屋の厚揚げ。見たか、このエッジの立ちよう。わざわざ求めに行くというだけあって、油も新鮮で旨い。お母ちゃんも元気そうでなによりだった。にごりを一杯頂く、こいつは酔う。


ここで河岸を変えて天満へ。この辺りも一大酔っ払い天国で、店の選択には困らない。天満近くのお好み焼きの「千草」へ。
相変わらず旨いねぇ。店主の元ラガーマンも意気軒昂。

この辺りでだしものをご紹介しておきたくなった。
と、ちょいと離れるが天一までさかのぼって「てんま」へ。
店主は倅3人仲良かった頃の船場の松葉家で修行なすった。


松葉家といえばこれ。きつね1人前をお願いしたら、小さいのを3つ
出してくれた。有難いね、気が利いている。
いろいろ取ってシェアする。
揚げ餃子のスープ仕立て。

カレー肉団子。どれもこれも旨い!
常日頃、ここで飲みたいと思いつつ、一人の胃袋じゃ持て余すので
今まで来れなんだ。友達おらんのか!

もうこの辺まできたら、英語どうでもよくなってた気がする。
気持ちだけは関西のうどんのだしとは…に行きたかったんだけど。
ま、いいや。まだまだ行きたかったんだけど、京都勢がタイムアップ。
今夜はこの辺でカンベンしといてやらぁ。

     だるま本店     浪速区恵比須東
   エノキ屋酒店   大国町今宮高校正門前
   千草        JR天満下車 天神橋筋商店街東
   てんま       天神橋筋商店街 天1鳥居前