blog 福祉農園通信・龍神伝心

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どの子も地域の公立高校へ埼玉連絡会からのアピール

2010-02-24 | 風の備忘録 
2月24日(水)午後1時半より、
どの子も地域の公立高校へ埼玉連絡会とし、
22日(月)に県教育局に提出した公開質問状の回答を聞きに行きます。
急ですが、参加を呼びかけます。
午後1時 県庁第2庁舎アンテナショップかっぽ前集合・打ち合わせ
回答を聞く会場は第2庁舎横の県民健康センター中会議室 です。
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写真は2月5日の教育局交渉風景  
3項目の公開質問

公開質問状の項目は3点あります。
2月5日(金)に行われた交渉結果を受けての質問です。
1つめと2つめの項目は、今年初めて県が
「受験上の配慮のための措置願」を選抜上の資料とする制度を導入したのに、
説明会や願書の様式に十分に盛り込まれなかったため、
今春からスタートした入試を完全に点数化する大きな流れの中で、
点数の取れない知的障害の生徒は切り捨てられて
当然という風潮を助長したのではないかという内容です。
長年私たちが求めてきた「障害の不利益に対する配慮を、
別室受験、時間延長、点字受験などの受験上の配慮だけでなく、
選抜上でも配慮せよということ(アメリカの公民権法等にあるアファーマティブアクション、
あるいは障害者の権利条約に定められた合理的配慮)に対し、
この制度を選抜要項・要領に入れることで
「やっとみなさんの要望に応えることができる」と述べてきたのは、
誰だったのか?だまし討ちとすら思えます。

3つ目の項目は、
定員内不合格を出した高校名を公表せよという、以前も出してきた要望に対し、
初めて「法令違反ではないから」という理由で、
できないと回答したことの責任についてです。

教育局は、
2001年に「定員内不合格はあってはらない」という確認書を私たちと交わしており、
毎年確認し直してきました。
今回の要望書には「法令違反」という文言はないのに、
あえて「法令違反ではない」と回答してきたのは、
確認の撤回を意味するのではないか?聞き流すことはできません。
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写真は教育局が入っている埼玉県庁第2庁舎
日高高校は英樹くんを受け止めて!

24日(水)は、前期入試の結果の発表日です。
5年目の受験になる吉井英樹くんは、今年も日高高校を受験しました。
英樹くんは、小・中とも近所の普通学級で、みんなと一緒に学んで来ました。
中学ではパソコン部でした。
重複障害の彼のコミュニケーションは、
質問に対しYes/Noで答える形と表情や動作が基本であり、
家族や一緒に学んだり遊んだりしてきたクラスメート等が重要な役割を担っています。

にもかかわらず、
県教育局は「障害による不利益があってはならない」と言いながら、
神奈川や千葉、東京では実施されている、記述式の問題を選択式に変えることや、
代読者・代筆者とも本人の推薦する者にすることなどを、本県では不可能と拒否して来ました。
代筆者のみ本人推薦が認められた結果、本番では長い問題を県の教員が一度だけ読み上げ、
反応が得られないことを確認するといった、屈辱的な状況を強いられました。
また、定員割れの時には、県の確認にもかかわらず定員内不合格にされてました。

写真は
中学のクラスメートで大学生になった
山崎くんの介助で
埼玉障害者市民ネットワーク合宿に
参加した英樹くん(中央・車椅子使用)
5年目の今年は、初めて、
屈辱的な状況がくりかえされるのなら配慮はいらないとして、措置願だけは出しました。
しかし、高校、県は、あくまでも別室受験を求めてきたので、それには応じまし。
これは管理上の都合に折り合いを付けたものであり、
「障害による不利益への配慮」とは無関係です。
受験上では、「障害による不利益」はいっさい解消されていないのです。
学力検査は0点になってしまったかもしれません。

ただ、合否は、調査書、学力検査、面接の結果を踏まえ、
その学校の教育を受けるに足る能力・適性の有無を、
校長が総合的に判断して決定すると定められています。
これまでの交渉で県は、たとえ0点であっても、
校長が「能力・適性がある」と判断すれば合格できると、述べています。
選抜上で、「障害による不利益に配慮する」ことを、校長がどう貫くかが問われています。
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写真も2月5日の教育局交渉
つきあうことから教育を問い直す
吉井んの「障害による不利益に配慮」するためには、つきあうこと以外にありません。
高校に受け止めつきあうことから、初めてたがいのコミュニケーションの土俵ができ、
これまで吉井くんを切り捨ててきた高校入試や教育のありかたを
どう見直していったらいいかも見えてくるはずです。

昨年、大宮商業高校定時制で4年間学んだ重度の知的障害をもつ斉藤晴彦くんが
卒業を認定されました。
高校は当初、評価できないとして、単位を与えず生活進級としていましたが、
4年間の過程を全面的に見直して、
一転卒業となりました。共に生きる地域社会への入り口として、公立高校を共に学ぶ場とするため、
県としても斉藤君の例から深く学び、環境整備を進めてほしいものです。
写真は、卒業証書を見せてくれた福祉農園の仲間、斉藤晴彦くんとご両親