優劣のある世界では、致し方なく、優者の意志通りに物事が進む。だが、何をもって優れているとみるか。格差がどんどん広がり、人々の間に亀裂がはしる。こんな状態でいいというのが常識となりつつある。
中国の状態は、格差社会そのものだが、それは改善していけば、いいので、そのために、権力を使うことが有効であることもあるかもしれない。だが、習近平のあの顔をみていると、とてもそんなことをするとは思えない。
だが、問題意識を持っていないとは、言い切れない。これから、国民のために、あるいは、世界の人々のためにと視点を変えて、つぎつぎと政策をうってくるかもしれない。
しかし、それはあまりに楽観的すぎる。いや、それは事実をみていないと言われるだろう。周辺国に対する中国のふるまいをみていて、そんなことはありえない。国内では、激しい権力闘争があり、国外に対しては、利権をめぐって、あくまで貪欲である。
そして、習近平の安部首相に対するあの態度は、その本音を見せつけてきた。安部首相がやろうとしていることは、集団的自衛権、原発、秘密保護法、格差拡大、富裕層優遇・・・、であって、それは国民に対する決していいこととはいえない大問題であるが、これらに対する問題指摘ではなく、あくまで、国益をめぐっての欲得のことであって、視野が広い話ではない。
国際関係は常に、国益のぶつかりあいとなるが、北欧の国民の暮らしを真正面にみすえながら、現実政治を展開している姿は、まぶしいばかりである。世界がそうなれば、どれほど素晴らしいことか。アメリカの銃社会、中東の紛争、アジアの小競り合い、問題解決にむけて、リーダーの責任は重い。
権力の維持をめざして、安部首相は、「自己都合解散」をするようだ。今度の選挙では、消費税を焦点にする体裁をとるようだが、それだけではない。もっと大きい問題が背後にある。目立たないようにして、これらのすべてについて、認めることになってしまうことである。有権者をバカとし、なめている風もある。
どんな変動がおこるのか、マスコミは、どうでもいいことしか流さず、タブ-にふれず、平和ののどかな風景を流しつづける。その背後では、地殻変動がすすんでいる。いつ、マグマが噴火するか。自然災害だけとはいえない、人々の間に、不満のマグマが満ちてきている。
若者たちの老後は一体どうなるのだろうか。今の富裕層をこんなに優遇していて、いいわけがないだろうが!