吉田たかよし氏の著書である。量子化学から、NHKのアナウンサー、そして医師となったという珍しい経歴の人である。
光文社新書で今年10月の発刊されたばかりである。元素周期表が、解りやすく説明される。医師としての知識、量子化学の知識の双方向からの説明で、融合した今まで経験したことのない理解ができる。
元素と体との関係について、意味づけがされる。これは、どちらの知識が欠けてもできない。これからは、ものごとの理解は、こういう具合でなければならないと思う。専門分野だけの認識では足りないのである。
たとえば、政治と科学技術の融合は、必至だろう。人類のかちえた全ての知識、技術、すべてを動員して、人類の将来を考えていかなければならない。
中国の行為や、意図をみて、国粋的な動きがある。武力でなければ、この動きを止められない、などとあっさりと言いのける政治家、評論家がいたりする。
こういうヤカラに煽られて、軍事衝突へまっしぐらということにならないように注意が必要である。世界規模で、戦争をしない、させない、ものの考え方を作っていかなければならない。
そのために、何をするのか。こうした低レベルの連中の発言を、いちいち咎めて、粘り強く批判していかなければならない。そのためにも、この本のような、広い視野、学問的成果を生かした知識レベルを、一般市民が持つことだとおもう。新しい傾向、広い視野をもつこの本は、そうした役割をも持っている。