空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

米原万里さん

2009年06月02日 08時10分13秒 | 思考試行
文庫本になっている米原万里さんの「ガセネッタ&シモネッタ」を昨日、購入した。エッセイ集である。面白い。

彼女はロシア語の同時通訳者として、また、多くの著作のあるまさに才女である。

その「毒舌」のすばらしさ、明確さ、はもちろん、彼女の生い立ちに大いに関係がある。

彼女のお父さんは、日本共産党の幹部だった米原いたるさんであり、温厚な感じのする人であった。仕事で、チェコへ赴任する。その際、一家で移住したのだが、彼女は小学2年生。帰国時のことを考えてか、チェコ語オンリーの現地の学校ではなく、ロシア語の、ソビエトの学校を両親は選んだという。

その時、彼女は大変な苦労をする。言葉がわからず、長い時間、授業の場にいなくてはならないのだから、まさに、苦行そのものである。

だが、その中で、彼女はロシア語になれていく。そして、ロシア語の同時通訳者になったというわけだが、そのセンスは、国際的であり、すばらしい視野の広さである。

彼女の本は、数冊しか読んでいないが、すっかり、ファンになってしまった。若くして亡くなったが、こういう人こそ、人類の財産、希望を与えてくれる人であると思う。

彼女の周囲の人を見る目は、辛らつであったり、温かであったりするが、その感受性に感動する。そして、周囲の人から見る、彼女は、読者たる自分の見方と共通した感じがある。誰もが、彼女の魅力を同様に感じている、という感じ。

率直で、辛らつで、的確で、明るくて、・・・恋もせずに、彼女は逝ったのだろうか。彼女にふさわしい、男がいなかったのだろうか、男性として、非常に残念であるが、恋に狂う彼女は考えられない。性を越えた人なのかもしれない。

だが、ヤカンのような・・・という形容の言葉が、彼女の周囲の人からの、彼女のボディラインの説明として出てくると、異性として、意識せざるを得ないのである。