思えば、いろんな病気をして、何度ももう終わりになっても仕方がない状況も経験してきた。だが、今もなお、一日6千歩以上は歩いたら、と勧められて、昨日から実行している。ふらつく頭を振りながら歩いている。
心不全と言われ、退院後は、少なくとも週二度、心臓リハビリがあり、それなりに忙しい毎日をすごしている。かかりつけ医に健康な人より歩いてますなあと冷やかし気味にいわれるが、本当にその通りだ。心不全にならなければ、こんなに細やかに、体重、体温、血圧、薬の管理などされることはない。毎日記録して、リハビリの前に、「面接」をうけて、これらのデータを看護師にみせて、アドバイスをうけ、その後自転車漕ぎのリハビリをする。
退院直後に、6分間歩行距離などの測定があったが、このほど、同じ計測があって、かなり歩行距離が伸びているということだった。この約5か月のリハビリや、運動の成果がでているようだ。この年になって、伸び率を褒められるのは、結構うれしいものだ。先の面接の際には、いささか大仰に褒めてくれたりするのだ。孫のような若い看護師が、まさに「保護者」になって、慈愛のまなざしを向けてくれる。
もとより、年齢のことがあるから、もはやなにがあってもおかしくなく、その覚悟はいつも持っているつもりだが、そうなると、生きるについても結構気楽であり、めちゃくちゃしたくなることはないが、何を我慢しなければならないということはない。ところが、そうなると、欲望そのものがそれほど強いわけでもなく我慢しているわけではないのに、禁欲しているのと大差はないから、人生は、うまくできている。
ただ嫌なことはするつもりはない。そこははっきりしている。それも、よくしたもので、そういう場面にはあまり遭遇しないように思う。もしそんなことがあれば、みごとに拒否してやるのだが。