ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』

2016-03-12 15:01:25 | 新作映画

----へぇ~っ。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
これって岩井俊二監督が
久しぶりに日本で撮ったゲキ映画ということで話題になっている作品だよね。
「9.11以降の日本が凝縮されている」とかで、
監督自身も精力的なプロモーションを行なっているよね。
主演が黒木華だっけ?
ちょっと蒼井優に似ている気がしないでもないけど…。
「そうだね。
そのタイトルやキービジュアルから受ける印象で、
これは『花とアリス』の路線かなと思って観に行ったら、
どうしてどうして、
これは黒木華演じるヒロイン、七海の地獄めぐり

----“地獄めぐり”?
それはまた穏やかじゃないニャあ。
ということは、
ヒロインにいろんな試練が襲いかかるんだニャ。
「そう。
次から次へと休む間もなくね。
なにせランニングタイムが3時間もあるからね。
でも、まったく飽きることない。
こちらもTwitterから。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
ありふれた言葉だけど、長さはまったく気にならない。
気がつくと、3時間が過ぎていた。
『ロード・オブ・ザ・リング』のように、
映画を観たという充足感と引き換えの、ドッと疲れるというようなこともないし…。
『ハッピーアワー』に比べれば短い短い

----ニャるほどね。
じゃあ、そのさわりだけでも教えてよ。
「物語は、
派遣教員の七海(黒木華)がSNSでひとりの男と知り合うところから始まる。
ふたりの交際は順調に進み結婚へと話は進む。
ところが七海はある大きな悩みを抱えていた。
彼女の両親はすでに離婚。おまけに親族も少ない。
そんな七海に、助け舟を出してきたのが安室(綾野剛)。
SNSでその呟きを見た彼は代理出席という手段があると持ちかけるが…」

----ニャによ。その代理出席というのは?
「うん。
ちょっと分かりにくいよね。
実は彼はネットを利用して『なんでも屋』をやっているんだ」

----「なんでも屋」?
「まほろ駅前」シリーズのふたりみたいなもの?
あれ、儲かりそうにないよニャ。
「いやいや。
これがまったく正反対。
その代理出席で知り合った人たちの間をうまく泳ぎ、
次から次へと新しい仕事を紹介。
服装も今っぽいし、
悠々と高級自動車なんかを乗り回している。
ところが、ぼくらでさえも
そんな商売のこと初めて知るくらいだし、
ましてや苦境に陥っている七海に
冷静に彼のことを見れるはずもない。
次々と彼女を襲う“不幸なできごと”に対して、
タイミングよく現れては助け舟を出す安室に
七海は次第に心を預けてゆくが…。
と、ここまでにしえおこうかな」

----あれっ。Coccoは?
「うん。
その代理出席のグループの中のひとり。
後半は、彼女との関係が中心となってくる」

----そういえば、
りりィも出ていたんだよね。
「うん。
小林政広監督が、彼女の歌を引用して
『私は泣いています』とTwitterで激賞したほどの圧巻の演技。
これについてぼくもやはりTwitterで

『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
これはまさに「現代」の映画だ。綾野剛の役どころなど少し前では考えられない。
しかし、最後に場をさらうのは、りりィ。
その覚悟を決めた気魄の演技には思わず目頭が熱くなる。
ハスキーヴォイスを出すために酒で喉を潰したという歌姫時代の武勇伝を思い出した。


と呟いた。
まあ、このことも含めてこの映画は、
観るまでは伏せておいたほうがいいことばかり。
ある意味、書きにくい映画だね。
ただ言えるのは、役者たちがみんな素晴らしいということ
これもTwitterからになるけど。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
一夜明けて考えるに、あの綾野剛は現代のメフィストフェレスみたいなものかなと…。
そして黒木華。これは今の時点における彼女の集大成と言ってもいいのでは…。
恐るべき俳優です

---ニャるほど。
岩井俊二映画といえば、
その美しい映像も高い人気を誇る理由のひとつだけど、
今回、そっちはどうにゃの?
「これは
美しいというより、安定の映像だね。
オープニング。
行きかう人々の向こうに見え隠れする黒木華
携帯で会話する彼女が待ち合わせ相手に自分を知らせるべく
片手をゆっくりあげてサインする。
そのシーンだけでグッと引き込まれたもの。
人混みの中なのにまったく構図が乱れない。
物語の進展によって
キャメラがフィックスから手持ち中心へと変わっていっても、
その安定感だけは変わらない」

---ニャるほど、
それも3時間、飽きさせない理由の一つだニャ。

<追補>
現代のメフィストフェレスで思いだした。
オダギリジョーの映画出演第2作目にあたる『プラトニック・セックス』。
飯島愛の自伝に基づくこの映画で阿部寛が演じた男がやはり得体が知れず、
社会の深い闇を感じさせた。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』の綾野剛はその系譜なのかなとも…。
(Twitterより)


フォーンの一言「Twitterといえば『シェル・コレクター』との共通点も呟いていたよニャ」身を乗り出す

※どちらもイモガイの毒が出てくる度
コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

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