ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『我愛イ尓<ウォ・アイ・ニー>』

2005-11-30 23:26:29 | 新作映画
※ネタバレにつながる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


「う~ん。こういう言い回しってどうなんだろう?
この映画の宣材には『超リアルなドキュメンタリー・ドラマ』と書いてある。
最初、ドキュメンタリーかと勘違いしてしまったよ。
でもよくよく読めばシュー・ジンレイを始め、
中国の有名女優が多数出演している」

----つまりドキュメンタリーと思えるほど
リアルなドラマってことだったんだニャ。
で、どんな話なの? 
タイトルからすると愛についての映画のようだけど。
「一言で言えば<夫婦喧嘩>。
日本だと『とらばいゆ』というのもあったけど、
この映画の喧嘩は、ちょっと救いようがない。
ちょっとした心のずれがどんどん広がって、
口を開けば、罵詈雑言のぶつけあい。
和解しようと会話を始めても
結局はお決まりのコースを辿ってしまう。
しかし、これを延々見せられるのもなあ」

----でも結婚するくらいだから、
元々は仲が良かったんでしょう?
「うん。最愛の人を結婚目前に不慮の事故で失ったシャオジュー。
彼の親友だったワン・イー。
二人は慰めあううちに、愛し合うようになり、
先を急ぐかのように結婚する。
で、問題はこの後で、
プレスには次のように書いてある。
『やっと居場所を見つけた彼女は、
夫と愛のある生活を送っていきたいと切に願う。
しかし夫はその思いを裏切るかのように冷めた態度で、
やがて「愛してる」とさえも言わなくなる。
なぜ彼は、結婚前と変わってしまったのだろうか?
愛されたいと思うことは行けないことなのだろうか?』とね。
明らかにこれは女性が書いていると思うね。
だって映画を観ていたら、そんなに男だけが悪いようには見えないもの」

----おやおや、それって問題じゃニャい。
えいも女性の心を分かっていないと言われても仕方ないかもよ(笑)。
「(笑)。ま、それはさておき、
この映画の見どころはやはり二人の凄まじいバトル。
よくぞここまで細かく書いたなと思うほどの脚本…。
これって感情表現で演じるのは難しそうと思ったら、
なんとこの口論シーンは全て
脚本からセリフを一切外し、
監督の方からは状況設定だけを俳優に与え、
アドリブで演じられたらしい」

----ニャるほど。だからドキュメンタリー・ドラマなんだ。
「しかも映画はそのほとんどが二人の顔のアップ。
いやあ息詰る迫力だったね。
東京写真美術館での公開と言うから
また映像頼みの抑えた演出かと思っていたら、
これがまったく違うんだもの。
さて、映画はふたりの離婚まで進み、
そこからなんとサイコサスペンスに舵を切り、
シャオジューのトラウマへと繋げてゆく。
この展開をどう受け取るか…。
それによってこの映画への好悪が分かれるかもね」

----確かにそれだと
喧嘩の原因を、男のみにありとする根拠が薄らいでくるよね。
「でしょう?
『オフィシャルのコピーは
『結婚は愛に寄り添えなくなる儀式?』
これは映画をよく表していたと思うけどね」

    (byえいwithフォーン)

※これは救われない度
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