ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ホビット 竜に奪われた王国』

2014-02-20 23:37:02 | 新作映画

(原題:tHE HOBBIT: THE DESOLATION OF SMAUG)


「う~ん。
最近、ブログから遠ざかりすぎだなあ。
またまた間があいちゃった」

----そうだよ。
いくら一時期より数が減ったからって
まだまだあんなに観ているのに…。
ほら、ツイッターではけっこう呟いているのに。
「そうなんだよね。
でも、なかなか時間が取れなくて」

----だったら、
ツイッターで呟いたことだけでも
ここで聞かせてよ。
ほら、ツイッターって流れてゆくでしょ。
フォーンだって、
いつもそれを読めるとは限らないし…。
「そうか。
それもそうだね。
じゃあ、そこからリスターとしてみるか。
うん、決めた。それでいこう。
まずはもうすぐ公開される作品、
この『ホビット 竜に奪われた王国』から」

----へぇ~っ。これは意外。
確か、前作『ホビット 思いがけない冒険』は気に入っていなかったよね。
新しい3D方式がダメだったとか…。
だから。詳しいお話も聞いていないまま。
「そうなんだ。
あまりにも映像がクリアすぎて、
質感がまったく感じられない。
で、それに合わせたかのように構図も平板。
まるでセットで作られたテレビドラマを観ているみたい。
じゃあドラマの方はどうかと言うと、
冒険に出る仲間が集まってくる、
いわゆる発端のシーンからして冗長。
これは最後まで変わらず。
クライマックスに至っては
狭い道を、あっち行ったりこっち行ったり。
みんな背丈が小さいのに、
先頭のガンドルフ(イアン・マッケラン)だけ長身なものだから、
ぼくなんか、
いかりや長介率いるドリフターズのドタバタを思い出してしまった」

----また、それはスゴイ毒舌。
でも、その新し3D方式って
今回も使っているんでしょ?
「そこなんだよね、
ぼくが言いたい本作のポイントは。
前作は音楽の使い方にも表れているように、
『ロード・オブ・ザ・リング』を引きずっていた。
つまり、リアル・ファンタジーをどこかで意識しているところがあった。
ところが本作『竜に奪われた王国』では、
この“リアル”をいったん取り払っている。
もとより『ロード・オブ・ザ・リング』(「指輪物語」)とは異なり、
『ホビット』(「ホビットの冒険」)は子供向けに書かれたもの。
だから、一見チープにも見えるこの映像が
今回の場合にはピッタリ」

----チープは言いすぎじゃニャいの?
「いやいや、これは悪い意味じゃないんだ。
実を言うと、
映像もどこかテレビドラマ風。
落石シーンなんかにしてもハリボテかなと思ったほど重量感がない。
だけど、個人的にはそこが憎めないんだ。
以前、「ナルニア国物語」が映画化されたとき、
やはり “リアル・ファンタジー”を引きずっていて、
原作の持つ“童話”のよさが消えていた

----童話のよさって?
「う~ん。
これは少し説明が難しいんだけど、
“誰もが納得する映像ではない”ってこと。
まだ、世界の知識がない子どもの頃に読んだ童話というのは、
そこに書かれた文字、あるいは挿絵だけで、
読む人それぞれの脳を刺激。
つまり、読んだ人の数だけの世界が出来上がっている。
ところが、これが大人向けファンタジーとなると、
もうすでに、いろんな情報が入った後に読むわけだから、
どこかしらそこには共通の既視感が伴ってしまう。

しかも
リアルに引きずられるあまり
視覚的冒険ができなくなるという恨みが残る。
この『竜に奪われた王国』は、
その“リアルの縛り”をいったん取り払っている。

人喰い蜘蛛が住む森の造型、
あるいは“人間”の暮らす港町。
これらは、それを構成するそれぞれのパーツのサイズが
どう考えてもありえない。
嘘っぽい。
でも、それらは逆に
子どものころ読んだ童話の文章や挿絵で
ぼくが夢想した風景そっくり。
もう、たまらなかったね」

----でも、
それって、えいだけのお話。
一般的じゃないよ。
「いや、だから
これはぼくにとっての、
歓迎すべき映画。
他の人がどうかまでは分らないな。
でも、前から話しているように
映画は
観る人の数だけの楽しみがあってもいい。
これはこれでありだと、
ぼくは自信を持って言いたいね」



フォーンの一言「オーランド・ブルームのレゴラスが少女マンガみたいにカッコイイらしいのニャ」身を乗り出す

※川の脱出シーンなんかは、ドタバタからスラップスティックに昇格している度
コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

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