ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

徳之島の思い出

2007年06月15日 23時49分08秒 | トライアスロン
14年前の6月、
徳之島トライアスロン第6回大会に出場した。
このトライアスロンは
僕にとって4回目のトライアスロンだった。
1回目に初心者向けのショートの大会ながら2位でゴールし、
以来すっかりはまっていた頃だ。
ミドルの距離はこの徳之島が初めてだった。
奄美大島経由で徳之島まで17人乗りの飛行機で乗り込んだ。

空港にはじめて降り立ったときに、
体にまとわりつくような
暑く湿った空気に驚いた記憶がある。
空港からの道すがら、
道の両脇に植えられたトックリヤシの姿に、
ああ南国にきたんやなあと
実感させられたことも、
薄れていく記憶の中に
はっきりと残っていることのひとつだ。
先に送っておいたバイクを
宿の庭でみんなでワイワイ組み立てたこと。
近所の子供たちが、
珍しそうに見物に来ていたこと。
宿の主人が、
夜中にハブ捕りに出かけると言ってたこと。
レース前日が、
南国のスコールというのだろう、
バケツをひっくり返したような雨と
激しい風で、
明日のレースが心配で
みんな眠れなかったのに、
僕一人が大いびきをかいて寝ていて、
みんなが感心していたこと。
そんなことが断片的に記憶に残っている。
そんな楽しい記憶が、
思いっきりブルーに染まったのが
レース当日、
会場に行って海を見たときだ。
岸壁に打ち寄せる波、
ヤシの木がしなるような風。
たぶんあれが、
近所の海なら「やーめた」
といって応援にまわっていただろう。
しかし、
「ここまできたんやから、やめるわけにはいかん」
という気持ちがいっぱいで、
顔面蒼白、
全身硬直、
おしっこちびりそうな状態で
海に入っていった。
思えばこのときの体験が、
僕のスイムの原点になっている。
以来どんなに海が荒れていても、
あのときの海で泳げたんやからと思うと
不思議に落ち着くのだ。
「清水の舞台から飛び降りたつもりで」
という言葉があるけど、僕の場合
「徳之島の海で泳いだつもりで」
となっているわけだ。

2キロを一時間近くかけて泳ぎきり、
バイクに乗る頃は
また強烈なスコールになっていた。
トランジットでバイクシューズを
はこうとしたときに、
シューズになみなみと雨水が溜まっていたくらいだ。
無我夢中でこいだバイクパートでは、
先行選手をどんどん追い越したことと、
途中立ちションをしたことくらいしか
記憶に残っていない。
14年の歳月とはそれくらい長いんやねえ。

そしてバイクを終えて、
ランに入る頃には、
日差しが注ぎ始めた。
強烈な蒸し暑さの中、
サトウキビ畑のアップダウンを、
これまたゴボウ抜きで走った。
ちなみにこのときは
最後のハーフを
一時間35分くらいで走っている。

先日、当時のビデオを見返したときに、
ゴール前、満面の笑顔で
数人を一気に抜き去る自分の姿が写っていた。

こうして、
僕の当時の生涯最長レースは終わった。
(ちなみに今は僕の最長レースは、
ロングトライアスロンを入れても、
萩の250キロが最長だ)。

初めての南国、
初めてのミドル。
体験したことのほとんどすべてが、
初体験だった。

今回初体験の仲間を連れて
徳之島に乗り込むが、
きっと彼、彼女らも
忘れられないレースになるでしょう。

レースは7月1日。

全員完走で、
一生の思い出になる4日間にしてあげたいと思っている。