ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

雪虫

2006年12月04日 22時09分43秒 | 自然
雪虫が今年も飛んでいた。
北国から初雪の便りが届き、
空気が澄み渡る今頃に公園を歩くと、
白い綿毛をまとった
小さな虫が飛びかうようになる。
今の季節の
ほんの短い間にのみその姿を見かける虫で、
正体は白腺物質を分泌する腺を持つ、
アブラムシの一種。
種の同定まではできないけど、
調べたらトドノネオオワタムシか
リンゴワタムシという種らしい。
丁度雪がちらつき始める頃に、
飛翔力の弱いこの虫が
季節風に乗ってあおられ、
町の中まで飛んでくるのだそうだ。
その白い様が
まるで雪のように見えることから
そのように呼ばれている。
がんばって、捕まえると、
小さな小さな虫で、
おしりに真っ白な綿毛が密生しているのがわかる。
アブラムシという名のわりに可愛い虫だ。
といっても、
所詮虫やから
アップでみたらグロいんやろうけど・・・。
それと、
この虫は面白い生態を持っているらしい。
生まれてから単為生殖を繰り返す。
つまり、オスなしで雌がいっぱい子どもを作る、
その子どもも単為生殖で増え、
第5世代でやっとオスとめぐり合って
有性生殖をするらしい。

この虫に愛着を持ってた昆虫学者がいたらしい。
また生態を解明した博士も。
たかが虫でもそれに一生をささげた人もいるんやろな。
そしてこの虫を
子供たちが無邪気に追いかける様子を
象徴として描かれているのが、
井上靖の「しろばんば」。

そう、この「しろばんば」こそが、
雪虫の地方名なんやな。
今、読みたい本がいくつかあるけど
次の次の次くらいに読んでみようかな。

すっかり冷たくなった風の中で
公園を歩いていて、
この虫が飛び回るのを見ていると
「冬だ、冬だ、冬が来た」
と触れて回っているみたいだ。