ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

写真撮影

2006年06月17日 23時22分49秒 | 写真
去年のこの時期に矢田寺に行った。
この寺はアジサイ寺と俗に呼ばれ、
梅雨の今頃には大勢の観光客が訪れる。
去年行った時もあじさいが真っ盛りで、
写真をいっぱい撮ったのに、
この前のハードディスク壊滅事件で一枚も残っていないのが残念だ。

こんな時の写真撮影でも、
仕事を意識してしまうのは一種職業病なのかもしれないが、
この時も出来た写真を
もし仕事で使うのならどんな写し方をするだろうかと
考えながらファインダーをのぞいていたことを記憶している。

まずは季節感を出すのが必要だろう。
アジサイの花というだけで
十分季節感は出る。
しかし、それだけでは足りないのだ。
小道具は水やね。
梅雨の季節感を出すために、
雨に濡れた花の姿を写そうと、
転がってた空き缶に水を入れてきて花にかけてみた。

いいよいいよ~。
(カメラマン風に)

木蔭で少し暗めの場所に咲く花で、
いい具合に水滴のついてる花の様子が、

バッチリコン!
(ちなみにこの日は梅雨の合間の晴れでした)

これで葉っぱにカタツムリでもいたら最高なんやけどなあ、
などと思いながら撮影していると、
近くで大層な三脚に立派なカメラ、
ベンチにはパソコンも広げながら
写真撮影をしている人がいた。
傍らにあるカメラのジュラルミンケースを見ると、
そこには新聞社の社名が書かれてあって
それは
誰もが知ってる、全国紙の名前でした。

見ていると何枚か撮影しては
パソコンで再生している模様。
で、気に入ったのをメールで送るんやろな。

一眼レフのデジカメの発展は、
写真界をずい分変えているんやろなあ。
今までは、
出来上がりがわからないから、
とにかく数を取っておいて
あとで選ぶという作業をしていたんだろうけど、
それだと現像に手間と費用がかかって仕方がない。
しかし、デジカメだとその場で画像が見れるわけだし、
画像を見ながら、絞り、シャッタースピードを操作して
イメージどおりの写真に仕上げていくことができる。
下手すれば、
こんな風景写真は構図さえしっかり取っておけば、
あとでパソコンでいくらでも画像処理ができるから、
昔のように出来上がりを
頭に描きながら
シャッターを切る指先に全神経を集中させる
なんてことはしなくていいのかも知れない。

最近のカメラマンは楽だよな~
そんなことを思ったり、
「矢田寺型」といわれる
お地蔵さんを拝謁したりしながら
雨にそぼぬれるアジサイの写真もものにして、
喜んで帰ったわけですが、
その日の夕刊に、
「矢田寺でアジサイ満開」の記事に添えられていた写真をみて、
思わず目が点になってしまいました。

その写真では、
偽の水滴など全く使わずに雨に濡れるアジサイの雰囲気を
見事にかもし出していたのです。

画面手前に満開のアジサイ、アジサイ。
そしてその向こうに、
傘を差して歩いている観光客の姿がぼかした形で映っている。
あれはきっと日傘なんだろうけど
たたみ忘れたか
それとも頼んだのか分からないけど
木蔭の暗さと相まって、
どう見ても雨の中で撮影したような写真になっている。
しかも、遠景には、雨にかすむようにぼやけた矢田寺本堂が・・。

完璧です。

ひとつの虚構もなく
見事に梅雨の季節感と観光客の様子と寺の雰囲気を
一枚に表現していました。

さすがに、餅は餅屋。
プロの仕事を見せていただきました。
ちっとも楽じゃなくて
大変やったんやなあ
ワシももっと、修行せなば~、
と反省した出来事でした。