雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

鬼蟻村マジック

2018-02-16 13:37:07 | 

二階堂黎人著"鬼蟻村マジック"を読みました。
探偵役のサトシが同僚の臼井竹美に頼まれて彼女の
故郷の鬼蟻村へ、竹美の婚約者として同行しました。
竹美の実家の上鬼頭家は造り酒屋をしていて村では
権力があります。
複雑な家庭で、母の左江子と姉の加世子と美佳子の三人は
それぞれ別の母から生まれました。
本妻の子ではありません。
本妻の子の弟の新太郎は若くして亡くなっています。
残された妻の静子は奥の仕事を引き受けています。
新太郎の妾が生んだ国也11歳は上鬼頭家に引き取られて
時期当主になる予定です。
そのほかに本妻の子の志女子と娘の薫子も同居しています。

鬼のお告げの脅迫めいた文が何回か置かれていて何かが
起こりそうだと竹美は心配しサトルを連れてきました。
上鬼頭家では60年ほど前に事件が起きました。
戦時中の出来事です。
田辺という将校が上鬼頭家での宴会中に押し入ってきた
鬼の扮装をした者に斬られて殺されました。
犯人を追っていきましたが部屋へ入っていったなり
姿が消えました。
この事件は犯人が捕まらず終いになりました。

三姉妹は特にいがみ合っていました。
将来の実権を巡っての争いが起こっていました。
未来の当主は国也とされていましたが、先代の当主、
加世子らの父に当たる徳之輔の孫だという盲目の
小滝達夫を左江子が見つけ出し連れてきたことから
ますます争いが激しくなりました。

村の人たちも集まった会食中に家の実権を握っていた
加世子と国也が毒を盛られて亡くなりました。
その後、静子、昔の事件が起きた時から仕えている
使用人の周爺が殺されました。


昔の犯罪がどのように行われたかということはすぐに
想像できました。
これはぴったりと当たりました。
現代の事件の方は何も事件を起こすことはないだろうと
私の感覚では思います。
でも何十年と培ってきた信念はこういうことを起こす
しかしょうがなかったのでしょう。
同じ家で何家族もが生活するということが争いの芽を
出させてしまった模様です。