雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

からくさ図書館来客簿 第四集 冥官・小野篁と夏のからくり

2017-10-02 21:00:00 | 

仲町六絵著"からくさ図書館来客簿 第四集
冥官・小野篁と夏のからくり"を読みました。

"からくり山鉾 前編・後編"
時子は上司の安倍晴明の命令で茜の店へ研修に行くことに
なりました。
山鉾に休み山と言われ動かさないものがあります。
鳥類研究所勤めの蜂須賀は鷹山と呼ばれている休み山の
ことを調べていてそのことが書かれた本がないか探しています。
壊れていて鷹、犬、樽負いの三つがどのように配置され
動いたかわかっていません。
鷹ヶ峯修復所の車折美保は鷹山の修復を任されました。
車折には吉野太夫の道なしがついていました。
吉野島原の太夫です。
鷹山は吉野太夫が身請けしてくれた夫と共に作ったののです。
吉野太夫が鷹、犬、樽負いの位置、動きを語ってくれました。

"猫と睡蓮"
金魚のお菓子作りをしていた本庄から完成したからと
金魚琥珀が持ってこられました。
図書館の塀の上に道なしが腰かけていました。
ユミハラ書房の経営者だった弓原です。
弓原は交通事故で亡くなりました。
親類に引き取られた本の行く末と、飼っていた猫の
モネのことを気にしていました。
モネは引き取られた親類の家を逃げ出しました。
京都の墓地に猫の幽霊が出没しています。
モネは死んで飼い主を探しているようです。
弓原は下賀茂の古書市をモネといっしょにいきたいと
思っていました。

"湖北に眠る 前編・後編"
時子は今度は山吹こと太田の元で研修することになりました。
太田は旅行会社の吉政を連れてきました。
太田は滋賀県の大津を拠点としています。
滋賀の観音様を巡るツアーを計画しています。
しかし観音様のある地元の人たちはあまり乗り気では
ありません。
17,8歳の青年が一本の腕を両腕に抱えて現れました。
明治の廃仏毀釈のおりに傷つけられたものではと
考えます。
腕を抱えた久志は観音様への思いから彷徨っていました。

茜の本名が明かされています。
額田王ですって。
いろんな有名人が登場してきて楽しいです。

からくさ図書館来客簿 第三集 冥官・小野篁と短夜の昔語り

2017-10-01 21:00:00 | 

仲町六絵著"からくさ図書館来客簿 第三集
冥官・小野篁と短夜の昔語り"を読みました。
道なしを天道へ送る、冥官の篁と新米の時子の話しです。
からくさ図書館を開いて道なしを探しています。

"馬琴の謎かけ 前編・後編"
鞍馬口高校の信介は時代小説の作家になるのが夢です。
源義経に使えた佐藤四郎兵衛忠信を書きたいと思って
いますが上手くいきません。
時子は道なしを強制的に天道へ送る道具の安祥儀を
使うことが許可されました。
篁は持っていません。
時子は持つかどうか迷っています。
信介が図書館へ来ました。
道なしを連れています。
道なしは南総里見八犬伝を書いた滝沢馬琴です。
馬琴は心残りがあります。
それを信介は探すことになります。

"金魚と琥珀"
本庄雅也は和菓子職人です。
金魚を題材に和菓子を作ろうとしています。
滋賀や奈良を巡って道なしを探している山吹から金魚屋に
現れる道なしがいると知らされます。
雅也は大和郡山の金魚屋へ金魚を見にいきました。
沙央里という店員と知り合いました。
道なしは雅也についています。
道なしは金魚店の元店主です。
記憶をなくしています。
時子と初めて会った山吹は本名を明かします。
江戸城を作った太田道灌です。

"わたの原 前編・後編"
隠岐の図書館の司書の御堂有紀が図書館を訪ねてきました。
有紀は隠岐の島々のいくつかの図書館でうみかぜ図書連盟を
作って本の貸し借りをしています。
有紀は船舶免許を持っていて小型船を運転して本の配達を
しています。
海に浮かんだ人が「本を捨てろ」と言ったような気がしました。
篁は生前隠岐の島へ流され1年ほど暮らしたことがあります。
阿児奈という島の少女と仲良くなりました。
篁は有紀といっしょに隠岐へ行くことにしました。
篁は阿児奈と会い、彼女の思いを聞き出します。
隠岐で生まれた若者たちは隠岐から出て行ってしまいます。
それを憂いていました。