雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

翼がなくても

2017-10-08 21:00:00 | 

中山七里著"翼がなくても"を読みました。
ミステリーの部分は多少ありますが、この本は
スポーツ小説です。(そんなジャンルがあるかどうかは
しりませんけど)

沙良は実業団で陸上の二百メートル走をしています。
オリンピックを狙える位置にいます。
通勤途上で車に轢かれて右足を切断しました。
運転していたのは隣家の同い年で小中学時代は仲良く
していた相楽泰輔です。
泰輔は中学から引きこもりとなりそれ以降は付き合いは
ありません。
隣家からは何の謝罪もなく、御子柴弁護士を雇ったという
ことです。
まもなく泰輔は殺され、直前に保険契約が変更され
金額が五千万で保佐人は御子柴弁護士になっていました。

沙良は会社にいずらくなり退職しました。
テレビで義足で走る障害者スポーツを見ました。
沙良は競技用義足を作り、走り始めました。
標準記録は30秒50です。
沙良は38秒もかかっています。
義足を作ってくれた舘野は自分のチームを作る必要が
あるといいます。

テレビで来日中の世界的に有名な義肢製作者でスポーツ
インストラクターのデビッドを知りました。
沙良は紹介もなしにデビッドに会いに行き、義足の製作と
コーチを頼みました。
強引な沙良を見込んでデビッドは義足の製作を引き受け
大学の研究所と引き合わせてくれました。
はからずも舘野の言っていたチームができていました。

御子柴弁護士が登場して、沙良は高価な義足を購入して
います。
泰輔を殺したのは誰かはだいたい検討がつきました。

しかしなにかすっきりしません。
御子柴に、何が起きようとしているのか想像がつかない
わけはなく、知っていればそのままにはしておかない
人だと思っていました。
これでいいのかなぁ。

沙良が走ることに貪欲に取り組む場面は引き込まれます。
しかしこれほどのお金がかかるのではちょっとやそっとでは
やってみるかというわけにはいきません。
スポーツの種類にもよるでしょうけど、お金がある人が
できるものということになってしまいます。
もっと気軽に出来ないものなんでしょうか。