両角長彦著"便利屋サルコリ"を読みました。
猿田朝雄、骨崎慶一、上村リサコの三人の名前から
サルコリという社名が付けられました。
三人は探偵学校の同級生です。
猿田は世界を放浪してきた人で頭が切れます。
骨崎は運動神経が優れているやさしい普通の感覚の
人です。
リサコはDV夫と子供を持つきつい感じの女性です。
便利屋とはいいますが探偵のような仕事が持ち込まれます。
連作短編集です。
"最小限の犠牲"
リサコはクラブで働いています。
宇野というシュミレーションを研究している嫌な男と
モールス信号で会話することになりました。
ロッカーの品物を世の中に公表するよう頼まれました。
リサコ、骨崎、猿田は3人の男たちに追われることに
なりました。
とうとう捕まってしまいます。
彼らから聞いた真相は…
"斬る"
放送局の装置の設置を請け負いました。
依頼人の森谷はジャーナリストでした。
二十年前Q工業の廃液漏れで子供達が甲状腺ガンに
犯されました。
森谷は裁判に訴えましたが敗訴しました。
Q工業の永倉会長が連れてこられました。
"ミマデラの餌食"
三万寺は番組で対話中に相手から失言を引き出すことが
出来ると有名になりました。
失言した人は表から消えました。
政治家が選挙運動中に当選したら三万寺と対話すると
公言しました。
当選し対話をするはめになって彼はサルコリに助けを
求めてきました。
"学校じゃ教えてくれないこと"
猿田が女子高生とメールでやり取りするようになりました。
アイというその子が電話してきました。
電話に出たのは骨崎でしたが猿田だと勘違いして塾の
先生を殺したと告げます。
アイの言うままに骨崎は会いに出かけていきます。
"尾行訓練"
探偵学校の時の話です。
尾行の卒業試験に備えるため3人はチームを組んで
訓練をしていました。
尾行をしている相手が泥棒なのに気づきました。
押し入られた家には人がいました。
3人はもう一人の仲間に見つかり家の中に連れ込まれました。
"合格率120パーセント"
リサコの夫の勲が大学受験の替え玉受験を押し付けて
きました。
息子の真一を誘拐して脅かして受験を承諾させました。
勲は替え玉だけではなく受験生に覚醒剤を売っても
いました。
"死んだ子の年齢"
的場義夫から行方不明になった息子の正道の書いていた
ブログを正道に代わって書くよう依頼されました。
義夫の妻の久美は後妻です。
正道が死んでいると思っています。
サルコシの3人の性格がはっきりと描き分けられています。
サルコシだなんて覚えられそうにない名前を選ぶより
もっとわかりやすい名前を選んだらよさそうなのに。