山本弘著"僕の光輝く世界"を読みました。
高根沢光輝は中学時代いじめに会いました。
高校は同級生が行かない学校を選びました。
それなのにしばらく経つとまわりの人がよそよそしく
なりました。
橋から突き落とされる事件が起きます。
死んでもおかしくなかったのですが病院で目が覚めます。
目は見えてますがコップを掴みそこなったりとします。
やがて失明していると教えられます。
アントン症候群という病名を告げられます。
見えていないのに聴覚、触覚、嗅覚から得た情報で脳が
像を作り上げる症状です。
光輝はまんが家を目指していました。
本を手にすれば内容まで創造して内容が目に見えます。
光輝は中学生の神無月夕と知り合います。
夕は光輝をいじめていた秀人の妹です。
光輝は夕と付き合い始めます。
夕は意地の悪い部分も持っています。
姉がいない時に家に来ていた時に急に姉が帰ってきて
夕が消えてしまうという出来事が起ります。
ミステリーだと帯に掛かれていますが、本当にミステリー
らしいのは最後の話です。
"幽霊はわらべ歌をささやく"です。
作中作のような形になっていて本の中でも殺人が起き
現実にも殺人事件に遭遇します。
作中の話もおもしろかったです。
本当に大きく膨らませて1冊にしたらいいのにと思います。
横溝正史風になって今には合わないかもしれません。
本の中の光輝は前向きですけど、現実だったら理不尽に
失明することになってくやしいでしょうね。
アントン症候群って本当にあるのですね。
たぶん光輝みたいに鮮明に見えるのではないような
気がします。