坂井希久子著"ヒーローインタビュー"を読みました。
プロ野球の選手の話です。
読んでいて最近同じような立場の人が出てきた本を
よんだなぁと感じました。
"ジャッジメント"です。
仁藤全はタイガーズに8位指名で入団しました。
10年あまりほとんど二軍で一軍で打ったのはほんの
少しです。
二軍ではのびのびと打っているのに一軍での試合は
かちかちになって顔色も悪くなりぜんぜん打てません。
全(あきら)はゼンと呼ばれています。
ゼンのまわりにいる人々にインタビューします。
庄司仁恵
ゼンの実家の近所の寂れた理容院バーバー胡蝶の
理容師です。
彼女はDV夫から逃げてバーバー胡蝶の蘭子の店に
行き着きます。
蘭子が亡くなって仁恵が引き継いでいます。
ゼンは仁恵が好きです。
宮澤秋人
高校生のゼンをスカウトした人です。
ずっとゼンのことを気にして見ています。
佐竹一輝
10歳ほど年下でタイガーズに期待されて入団した
投手です。
ゼンとは違って能力を発揮してどんどん活躍します。
佐竹はゼンを慕っていますし、ゼンには力があると
思っています。
山村庄司
45歳の中日の投手です。
怪我をして二軍にいた時にゼンと試合で会います。
調子がよくなったと思っていた時にゼンにばんばん
打たれます。
こんなところに能力ある人がいたのだとゼンを
気にするようになります。
鶴田平
高校時代の野球部のチームメイトです。
高校二年で甲子園に行きましたが1回戦で敗退です。
三年の時今年こそと思っていました。
父親が草野球で大怪我をしたと連絡がありバイクに
乗って病院へ向かい事故を起こしました。
無免許だったため野球部は試合禁止となりました。
鶴田はそれ以後ゼンに顔を合わせられません。
いろんな人がゼンとの思い出を語ります。
力を発揮しなければいけない時に発揮できない人です。
でも近くにいる人は彼を好いています。
二軍生活が長くても暗くなったり性格が悪くなると
いうことはありません。
選手としては心が弱い人ですが好きなことをして
生きているのですからこれでいいのかもと
思わせられます。