北村薫著"街の灯"を読みました。
時は昭和初期です。
花村英子の父は士族の出で財閥の社長となりました。
お嬢様は学校へはフォードで送り迎えされます。
その運転手となったのが別宮みつ子です。
二人の時にはベッキーさんと呼んでいます。
当時は女性が運転することさえめずらしい時代でした。
ベッキーさんは剣も扱える人です。
物静かで洞察力があり謎のある人物です。
ちょっと不思議な出来事を解いていく話です。
主になるのは英子で、彼女も頭のいい人です。
ベッキーさんが時々にヒントを与えてくれます。
"虚栄の市"
自分を埋めて死んだ男のことが新聞に載りました。
鍬を借りて穴を掘りその側で毒入りの酒を飲んで死んで
いました。
同じ下宿の男が川で亡くなっているのが見つかりました。
二つの事に関係がありどんなことが起ったのか
見出します。
"銀座八丁"
学校では友達同士で本を使った暗号の手紙をやり取り
するのが流行っています。
兄の雅彦宛に小包が届きます。
暗号の話を聞いた友人から暗号を送るから解いて
わかった場所に来るようにと挑戦されます。
"街の灯"
夏に軽井沢に避暑に出かけました。
英子の友人の道子も避暑に来ています。
道子の婚約者の家でフィルムの映写を見ている時に
婚約者の妹の家庭教師が亡くなりました。
病死ではあるのですがその裏にある出来事を
見出します。
昭和初期といったらそんなに昔のことではないのに
まったく今とは違う雰囲気があります。
女性は銀座を一人で歩くことができなかったという
のは信じられないことです。
変わらないようでいてどんどん変わっているのですね。