小路幸也著"キシャツー"を読みました。
キシャツーとは汽車通学のことです。
北海道の海辺の高校生たちの夏休みの出来事を描いた
物語です。
彼らは1時間に1本しか走っていなくて、1両だけの
電車で高校に通っています。
海岸に赤いテントが張られているのに気づきます。
はるか、あゆみ、このみは高二で友人です。
良夫は高三ではるかと家が近く兄妹のように過ごして
きました。
紗絵は高三でクラスメートとは間を置いています。
彼女はレスビアンではるかのことが好きです。
はるかや紗絵たちはテントが気になります。
テントにいるのが東京からやってきた高三の光太郎だと
知ります。
光太郎は子供のころに別れた前のお母さんの連れ子
だった義理の姉が北海道のテントを張った近くの町に
いると聞いて探しにきました。
もう10年ほど会っていません。
なぜ自分たちから去ってしまったのか知りたくて
探しにきました。
はるかたちは人探しに協力することにしました。
お姉さんはあっさりとみつかりました。
お花屋さんで働いていました。
デザイナー関係の仕事をいろいろしています。
しっかりと生きていました。
未来に不安や夢や希望を抱く高校生たちが描かれています。
みんなしっかりしています。
自分が高校生だったころって何にも考えていませんでした。
よく生き延びてこれたもんだと今になって思います。
ああなりたいと思い描くものがあったり、あの職業に
つきたいからがんばるとか、ほーすごいなと思います。
がんばって実現しなくてもいいんだよね。
その努力は無駄ではないんだから。
私も何かに向かって生きていたらちょっとは違ったかもと
思わないではありません。
ま、いいかともおもいますけどね。