雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

夜叉桜

2012-07-13 19:46:34 | 

あさのあつこ著"夜叉桜"を読みました。
木暮信次郎、遠野屋真之介のシリーズの"木練柿"の
前の巻にあたります。
女郎が次々に首を切られて殺されていきます。
遠野屋の手代の信三が店へ買い物にやってきたのが幼馴染の
おいとだと気が付きます。
おいとは女郎をしています。
おいとも殺されてしまいます。
木暮は遠野屋へやってきます。
木暮の性格は人を信じない、情けをかけない、惚れないと
およそ暖かさがない皮肉な人です。
岡っ引きの伊佐治が行動を共にしています。
伊佐治にもあきれられて行動が過ぎるとたしなめられて
います。
元武士の遠野屋を気にしていつも心にぐさっと刺さる
言葉を真之介にあびせます。

遠野屋が襲われ真之介は拉致されます。
さらったのは真之介の兄です。
真之介の過去が明かされます。
真之介は人を多く殺しています。
育ててくれた乳母さえ殺しています。
父親まで殺しているのかもしれません。
兄が真之介に人を斬るのは止めて行き直せと送り出して
おいて必要になったからとまた人を斬れと命令します。
真之介は殺されてもかまわないとがんとして
引き受けません。

また女郎が殺されます。
今度は男が一人と女が二人です。
女の一人は男に殺され、男はもう一人の女に殺され、
その女は自害しています。
その女はお玉、本名菊乃です。
木暮が客になったことがあります。

連続女郎殺しの犯人はこの男です。
金で雇われていました。

菊野には赤ん坊がいました。
この子を遠野屋へ届けるよう取りはかっておきました。
この子がおこまです。
遠野屋の子になりました。

連続して女郎を殺したのは殺したい女を多くの女の中に
埋もれさせ理由をわからなくさせるためです。
殺しに走らせたのは真面目に生きてきたのに絶望
させられる出来事があったためです。

木暮信次郎は人の心の触られたくない部分にずかずかと
踏み込んでくる人ですが、なんか憎めない人物です。
伊佐治が腹を立てつつ離れられないのもうなずけます。
静かで誰にも愛されている真之介とは対称的です。

シリーズを後の方から前へ読んできてしまいました。
最初の"弥勒の月"もよんでみたいと思います。

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