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績文堂出版と特定商取引法

2017-11-15 | 歴史学研究会と歴史科学協議会
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2017年11月15日(水)10時50分30秒

ツイッターで『歴史学研究会編集 現代歴史学の成果と課題 第2巻 世界史像の再構成』(績文堂出版、2017)という本を見かけて購入しようかなと思ったのですが、私は績文堂出版という出版社を全く知らなかったので検索してみたら、この会社は今年4月から青木書店に代って歴史学研究会の機関誌『歴史学研究』の発行元になっているんですね。
私は歴史学研究会の会員ではなく、近所の大学図書館で時々『歴史学研究』をパラパラめくっている程度の読者なのですが、迂闊なことに発行元が変わったことに気づいていませんでした。

http://www.sekibundo.net/index.html

どんな会社なのかなと思って、同社サイトを少し見てみたのですが、代表者の氏名も書いてありません。
しかし、同社が通信販売を行なっていることからすると、これはちょっと異常なことです。
というのは、特定商取引法という法律があって、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売等の消費者トラブルが発生しやすい取引形態について、業者が守るべきルールを定めているのですが、通信販売の場合は広告に表示すべき事項として13項目が定められているんですね。

消費者庁・特定商取引法ガイド
http://www.no-trouble.go.jp/
通信販売
http://www.no-trouble.go.jp/what/mailorder/

こういう規制があるので、通信販売業者のサイトには必ず「特定表取引法に基づく表記」があります。
例えば青木書店の場合、リンク先のような記載があって、まあ、「訪問販売法に基づく表示」という古い法律名になっているのはご愛嬌ですが、法定事項はすべて具備されていますね。

http://rr2.aokishoten.co.jp/page/purchaseguide#NO_A7

これに対し、績文堂出版の場合は、「購入方法」を見ても代表者または業務責任者の氏名がなく、返品方法等に関する定めもなくて、全然ダメですね。

http://www.sekibundo.net/kounyu.html

ということで、私は四日前に、

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特定商取引法に基づく表示について

こんにちは。
貴社の出版物の購入を検討しているのですが、私にとってなじみのない出版社なので、
特定商取引法に基づく表示を確認してみようと思ったところ、貴社サイトには特に
表示がないようです。
貴社は青木書店に代わって「歴史学研究」の発行元になったとのことなので、もちろん
信用のある会社とは思いますが、特定商取引法に基づく表示がないのは何故でしょうか。
あるいは私が見逃しているのでしょうか。
ご連絡願いたく。
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というメールを送ったのですが、未だに返事が来ません。
正直、この会社は大丈夫なのかな、という不安が生じますね。
なお、つい先日、

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 オウム真理教から改称した「アレフ」が、別の仏教関係の勉強会を名乗って女性を勧誘した際、必要な書面を交わさなかったとして、北海道警は13日、特定商取引法違反の疑いで札幌市白石区と福岡市博多区の施設など5カ所を家宅捜索した。
http://www.sankei.com/affairs/news/171113/afr1711130007-n1.html

などというニュースがあり、まあ、これはオウム取締りのために警察があらゆる法律を使っているという側面があるのでしょうが、特定商取引法違反は決して軽い話ではないですね。
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