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2008-10-18 | 高岸輝『室町絵巻の魔力』
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2008年10月18日(土)11時49分4秒

梅原猛氏は『神仏のしづめ』の下に紹介した松岡氏の発言に続けて、「去年(二〇〇五)の五月に赤穂の大避神社に秦河勝の事跡を訪ねてフィールドワークしたのが能に深入りした契機ですが、能というものは本当に素晴らしい。日本文化の精髄じゃないかと思うようになりました」と言われていますが、翌2006年の10月には、大避神社に梅原氏の句碑が建ち、更に今年8月には、「聖徳太子の重臣、秦河勝(はたのかわかつ)を主人公にして、哲学者の梅原猛氏が書き下ろした新作能「河勝」が27日、大阪城西の丸庭園(大阪市)での「大阪城薪能」で初演」されたそうで、相変わらずギルガメッシュ、じゃなくてエネルギッシュな方ですね。

大避神社
http://blog.goo.ne.jp/kue-biko/e/6e631477e8f258e593004aca885a21cb

「梅原猛の原作、和の精神説く」(日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news001540.html

梅原氏が立命館大学で行った講義によると、

--------
室町時代に観阿弥、世阿弥という親子が足利義満に寵愛され、能は盛んになったのですが、観阿弥は川の民。じっと縄文文化を保持していた一族の出身者でした。
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/ritsumei/ro70622a.htm

のだそうですが、なぜ「じっと縄文文化を保持していた」と言えるのか、訳わからんですね。
梅原猛氏の縄文文化論、変なおじさんのタワゴトだった頃は私も面白く読んでいたのですが、地球環境問題が深刻化する時流に乗って、マスメディアの世界でもそれなりの影響力を持つようになってきたようなので、何か妙な感じです。
私としては、いくら頑張っても縄文人の精神文化を復元するのは実際上無理だし、復元したところで特に高度な思想が構築されているわけではないから、地球環境問題の解決等にも役立たないだろうなと思っているのですが、少なくとも表面的には梅原氏への批判は意外と少ないみたいですね。
リンク先は東京大学東洋文化研究所教授・菅豊氏のブログで見つけた梅原氏批判ですが、当然の理性的判断であり、学者はこうであってほしいなと思いますね。

http://suga.asablo.jp/blog/2005/10/25/119632
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~suga/
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