学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

0120 兼好法師と堀川家の関係についての小川剛生氏の誤解(その5)

2024-07-17 | 鈴木小太郎チャンネル「学問空間」
第120回配信です。


一、前回配信の補足

小川剛生氏の新説によれば、徳治三年(1308)に死去した後二条天皇の追善のため、西華門院という非常に高貴な女性が、生前の後二条と全く縁がなく、正和三年(1314)以降に金沢家を通して多少の関係が生じた兼好法師程度の低い身分の者に和歌を依頼したことになるが、そんなことがあり得るのか。
西華門院は「後二条院のかゝせ給へる歌の題のうらに、御経かゝせ給はむとて」「人々によませられ」たのだが、そもそも故人と全く縁もゆかりもない人に追善和歌を求めるようなことがあるのか。
何らかの関係があったからこそ兼好は「人々」に入れてもらえたのではないか。

後二条天皇(1285‐1308)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E4%BA%8C%E6%9D%A1%E5%A4%A9%E7%9A%87
堀川基子(西華門院、1269‐1355)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E5%B7%9D%E5%9F%BA%E5%AD%90

二、旧サイトで私が堀川家に着目した理由

『とはずがたり』と『徒然草』の登場人物はかなり重なっている。
特に注目すべきは後深草院二条の従兄の久我通基。

原文を見る-『徒然草』-

若い世代向けの『とはずがたり』参考文献(番外)〔2022-03-08〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/411468de46c22d2b7bd2122e22b842a7
『とはずがたり』と『徒然草』に登場する久我通基〔2017-11-28〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/bbca183556381323530d10235e6a82a0

『兼好法師自撰家集』に登場する堀川具親〔2017-11-29〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/fdd304f9796231fd758da650a9d63610
『増鏡』に登場する堀川具親〔2017-11-29〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/a743a888079b9b7e5ecb9ffeee1bca98

『とはずがたり』・『増鏡』・『徒然草』の関係について〔2017-12-07〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/62535f75170a4e3aae07abc9d453aee1
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