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0122 再考:兼好法師と後深草院二条との関係(その2)

2024-07-18 | 鈴木小太郎チャンネル「学問空間」
第122回配信です。


一、前回配信の補足

兼好法師は『とはずがたり』(と『増鏡』の原型)を読んでいたのではないか。
私が想定する『とはずがたり』(と『増鏡』の原型)の主たる読者は東国の「特権的支配層」。

『とはずがたり』は社交の道具。
『増鏡』の原型は、大覚寺統こそが後嵯峨院の「素意」にかなう正しい皇統なのだというプロパガンダ。

「巻八 あすか川」(その16)─後嵯峨院の遺詔

兼好法師は『とはずがたり』(と『増鏡』の原型)に描かれているところの、後深草院二条によって誇張・歪曲された多くの人物像に違和感を抱いたのではないか。
その修正が『徒然草』執筆の動機の一つ。
ただ、別に直接的に非難している訳ではなく、『とはずがたり』(と『増鏡』の原型)に描かれている人たちには別な側面がありますよ、と婉曲に示唆。
分かる人には分かってほしい、程度の書き方。

二、外交官一族としての通親流村上源氏

兼好法師の一族と後深草院二条の接点を探る前に、後深草院二条の一族の位置づけを確認しておきたい。

「関東伺候廷臣」(土御門顕方と堀川基俊の類似性)

『とはずがたり』の政治的意味(その1)〔2022-02-07〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/8bb6604fe41c778bbff02b322540603e
「母忠子をめぐる父後宇多上皇と祖父亀山法皇との複雑な愛憎劇」(by 兵藤裕己)〔2018-05-19〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/b29cde93866ef766ee3a5823bfe9dacc

土谷恵「東下りの尼と僧」(『新日本古典文学大系月報』52、岩波書店、1994)
http://web.archive.org/web/20150115015021/http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/tsuchiya-megumi-azumakudari.htm
高橋慎一朗「『親玄僧正日記』と得宗被官 」(『日記に中世を読む』所収、東京大学出版会、1998)
http://web.archive.org/web/20150107053657/http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/takahashi-shinichiro-shingen.htm

系図 皇室・村上源氏
http://web.archive.org/web/20150512043613/http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/keizu01.htm
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