雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

腕(かひな)より透月昇るあえかにも触れなば韻(ひび)く虹の音聴かな

2014-11-23 08:19:17 | Weblog


  夢浮橋第5話「透花源」を「さゆらもゆらに…」にアップしました。


  お母さんと子どもの情景が多いですね。今回。



 




  物語のなかに入って、漂うような泳ぐような、空を舞うような感覚を楽しんでいただけましたら。





  

























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茜想ふひそやかに巻く裏側に日々のいたはり花野のごとし

2014-11-22 19:12:42 | Weblog



  よい一日を過ごせた。













 みなさんもたのしい三連休を。











 感謝。














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海風のうてなとならば冬に赴(む)く陽のひかりさへ君にひろがる

2014-11-21 15:28:02 | Weblog



  冬の光に







  今日もできるだけきちんと過ごす。



  今このとき一番適切なことを考えようと思う。ひととして与えられた時間は有限だ。このごろはっきりその自覚がある。


このようなことを改めて表現すると、何かはかなげな物思いかと勘違いされるだろうか?

  ひとみな誰も限られた時空間の中で、自分の模様を描きながら生きている。


  きれいな色綾を時間のなかにとどめたい、ということだ。さまざまな織り糸、染め色で。


  無駄で不必要に歪んだことに心を費やすのは、もったいない、と思う。



  よい時間で人生を満たしたい。









  
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おほらかに母の手笑ふHELLOキティ選びたまひし聖夜たのしき

2014-11-20 18:10:48 | Weblog


 母からクリスマスカードが届いた。


 未来11月号と玲瓏88号を先日送り、そのお返し、ということらしい。



 彼女の硬筆がしっかりしたので、うれしくてここに載せる。



 いい字でしょ? そして『白鳥姫』についての徳高さんの論評も、ただしく喜んでくれた。母のこういうところが好きだ。









 それにしてもキティ、なんてよく私の好みを覚えているなあ。

 



 今、ハローキティは世界的人気キャラ。ボタンを押すとクリスマスソングが流れ、キラキラ光る

 
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こゑ消して肩に寄り添ふ風のなき冷えたる恋のいと熱きかな

2014-11-20 13:39:53 | Weblog



 題詠「冬の恋」






 時間の流れる音を聞く。







 



























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ヴォカリーズ  徳高博子 第三歌集

2014-11-19 14:38:54 | Weblog
  

 鏡の中に還暦過ぎのをんなゐて「だからなあに」と顔寄せてくる


 高潔な野獣になりたき夕まぐれ間欠泉のごとく母音が             二首「現し身」より



徳高博子さんには二度ほどじかにお目にかかったことがある。最初は第二歌集『ローリエの樹下で』の作品批評会。その次は玲瓏の新年歌会で。

全体にふっくらとした、物腰のやわらかな女性とお見受けしたが、この方の第一印象は、私にとって視覚ではなく、電話でお話したときの澄んだ若々しい声だった。それは少女めいたほそい声ではなく、十分に成熟した知的で陽気な声だった。彼女が声楽を学び、ソプラノ歌手であったと知ったのはずっと後のことだが、ベル・カントでうたう歌手の地声が美しいとはかぎらない。歌声とふだんの声とはまったく異なる歌手も多いはずだ。


『ヴォカリーズ』から私が聞き取ったものをすこしまとめさせていただこうと思う。最初に上げた二首は、連なって歌われたのだろうか。私はこの歌を『未来」で拝見し、凄みのある肉声、と眺めた記憶がある。

「だからなあに」、とは無造作に、投げ出されたような声だ。女性が還暦過ぎの我が身を自覚するときに、だからなあに、とみずからに問い詰めてくる顔は、どんな表情をしているのだろうか、と私は少し考え、こわくなったのでそれ以上想像しなかった。そして、歌集では、この歌に続いて「高潔な野獣になりたき」とスタティックとバイオレンスが交錯する母音の響きが続く。この声が穏やかであろうはずもない。だが、それもまたラフマニノフの「ヴォカリーズ」の調べに乗せて歌うなら、哀切に美しいかもしれない。


 ボードレールの夕陽は眼球。 無口なるふたりの餐を窓から見つむ     「レゾン・デートル」


 ターコイズ首に飾りて涼む宵 過去世より来よわが想い人         「ヴォカリーズ」


 波が、空が、おらぶ声ちぎれ飛び交ふ。 みな活きてゐたはずの此の岸   「あぢさゐの季」


 まみゆれば言の葉いらぬ我らなり水と光のやうに響かふ          「銀杯」



 太陽の季節過ぎにき太陽の塔滅びたり然(さ)れば月こそ


 わが胸に雪時計ありしんしんと冥きしじまにゆきふりつづく        二首「天空」


 炎天下砂遊びせる若者の眼は泳ぎつつ埋もれてゆけり           「社会」


 虹のごとこころの裡に視ゆるもの神とこそ想へ愛とも謂はめ        「虹」



歌集の中から好きな歌を選ばせていただいた。

潤沢な環境、教養と詩心にめぐまれ、我が身の移り行きを鋭く自覚し、さりながら、その現し身の枠よりなほあふれ出る希求を、物憂げに、冷静に、ときにいくらかのふぉりあをも湛えて詠じておられる女人が見える。


野性を帯びた母音のつらなりを、凛然とした詠唱に高めるために、徳高さんはこれからどのような人生の旅をなさるのか。きっと、次の歌集、またその次の集で旅の素描を真摯に表現されるだろう。

徳高さんのまなざしに適ったひとつの画像を最後に引く。

この映像は密室で自身にすりよる鏡像ではなく、「不自由な肢体」をものともせず、空と大地に向かって決然とひとり這ってゆく障がい者クリスティーナだ。『ヴォカリーズ』の終わりに近いほうにある。徳高さんの次の旅への予兆と眺めたいけれど、芳醇な彼女の世界は私などには測れない。



 限られし世界の中で自らに由り生きぬきしクリスティーナよ       「ワイエスの世界」









 
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あたたかく我が声容(い)るる夕べには手の届くところ鍋を調へ

2014-11-18 18:55:55 | Weblog




  おだやかな日常に感謝して。

























  
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弦のうへいのりに変へる風も来よとアベマリア唱(うた)ふ海ならばあなたへ

2014-11-17 11:02:04 | Weblog


 朝のお稽古をすませて




 12月の「絵のない絵本」アンコールピースに、グノーのアベマリアを奏でる。



 いろいろ試したが、クレッシェンドするにもフォルテはなるべく避けて、静かに、祈りのように弾くのがいいと思う。



 指先にきちんと力が通り、弦を通って楽器にひろがってゆく。楽器を抱いていると、その波動がはっきり全身につたわる。



 もうじき待降節。






 今日も丁寧につとめる。



 みなさんもよい日でありますよう。
















 
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未来11月(754号)

2014-11-17 10:45:16 | Weblog


 かの人の詩にふる雨を身に受けてやさしさ沁みぬ  夕闇に哭(な)く


 苦しみのうち重なりてありし季なぜうつくしき貌を見せしや


 風の段(きだ)ひかりやさしき言の葉や詩の扉から洩れくる夕べ      江田浩司





 夏樫の葉擦れにかへて降りこぼすひかりの嵩のはかりがたしも


 たんぽぽの絮そののちはシャボン玉  全きを吹きて幼日は過ぐ


 ゆきかへる足音絶えて八月の江戸切り絵図に黄の道はあり


 詩のすゑはRに終はるゆふぐれを口に冷めたる白湯ふくむかな       岩岡詩帆




 
 酷暑とう包囲網なり迫りくるひかりを振り切るように加速す


 火よ  視野にひろがり続ける豊穣よ私はいま一つ隕石


 水底にたゆたいながら仰ぐ空  あなたの悔いはあなたのものだ


 季節から季節にうつるはるけさに一本の樹として君は立ち         古川順子





 水はある  あなたが燃やしてきた森にしずかに息をするようにある    小林朗人



 もう二度と家に帰れぬ友措きて我はこの世の風に触れゆく         高田芙美



 一億の人間に一億の世界がありてみな一人なり              雅風子



 
 
 靴脱いで波を追う君眩しくて夕焼けの色気づかないまま

 
 灰色のこの苦しみよ消えないであなたを想うひとつの証


 胸痛む思いでさえも尊くて紡いだものもまだ見ぬそれも          雪村ねこ




 日盛りにふさふ島唄  さなかづらとほながく  草、巻貝のこゑ     


 なよたけのおきふせる波  そはおん身 とはを懐ける不知火の海     保田斐佐子




 





 おことわりなしですが、心にとまった歌です。











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花桜に少女は並ぶ不可思議の箱ひらくごと頬やはらかし

2014-11-16 08:35:24 | Weblog

「夢浮橋」第4話「双星嬬」を小説ブログ「さゆらもゆら…」にアップしました。


象徴としての人魚物語かもしれません。






 初めもなく終わりもない、あるいは初めと終わりがなめらかにつながっている物語です。



 ゆらゆらと光のプリズムを眺めるように楽しんでいただけましたら。









 
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アルファポリス