昨日に引き続き、いのちのお洗濯。
午後から鎌倉芸術館小ホールで川村祥子さんのピアノリサイタルを鑑賞。
すばらしかった。
ラヴェル:水の戯れ
ショパン:エチュード
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
…ここで15分の休憩をはさんで…
ショパン:エチュード
ムソルグスキー:展覧会の絵
2時間越えたが、最初から最後まで聴きほれた。
ピアニストはタッチの微妙で、曲ごとの音触を表現し分けるデリケート。
そしてダイナミックな迫力を備えていた。
「展覧会の絵」の出だしがはじまったとき、わたしは美術館の高い天井に響いてゆく、足音が聞こえるような気がした。エルミタージュ美術館の大理石の床に響く、つめたくかたい、澄んだ響き。
この演奏の前のショパン「エチュード」のディナミクは、激しくてもまろやかな響きでうたわれたので、強弱だけでなく甘さと硬さ、柔らかさまで彼女は表現し分けた。
演奏が終了した時、わたしはまるで「戦争と平和」のような、ロシアのたっぷりとした十九世紀の大河小説を熟読したような満足感を覚えた。
これからこのピアニストはどのように開花してゆくのだろう。
それから、ひさしぶりに今日は和服をまとった。白緑の地に白い霰。松に流水の付け下げ。これも古いいただきものだけれど、しっとりとした絖の光沢が若い。着てみると肩にかかる絹の質に腰がある。長い年月、しまわれたままだったのに、どういう過ごしかたをこの淡いみどりの松はしたものだろうか。
帯も青に銀の縫取りで、全体無彩色に近い印象なので、半襟だけ赤を使った。
扇尽くしで。
贅沢な一日だった。
感謝。