市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

弦のうへいのりに変へる風も来よとアベマリア唱(うた)ふ海ならばあなたへ

2014-11-17 11:02:04 | Weblog


 朝のお稽古をすませて




 12月の「絵のない絵本」アンコールピースに、グノーのアベマリアを奏でる。



 いろいろ試したが、クレッシェンドするにもフォルテはなるべく避けて、静かに、祈りのように弾くのがいいと思う。



 指先にきちんと力が通り、弦を通って楽器にひろがってゆく。楽器を抱いていると、その波動がはっきり全身につたわる。



 もうじき待降節。






 今日も丁寧につとめる。



 みなさんもよい日でありますよう。
















 
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未来11月(754号)

2014-11-17 10:45:16 | Weblog


 かの人の詩にふる雨を身に受けてやさしさ沁みぬ  夕闇に哭(な)く


 苦しみのうち重なりてありし季なぜうつくしき貌を見せしや


 風の段(きだ)ひかりやさしき言の葉や詩の扉から洩れくる夕べ      江田浩司





 夏樫の葉擦れにかへて降りこぼすひかりの嵩のはかりがたしも


 たんぽぽの絮そののちはシャボン玉  全きを吹きて幼日は過ぐ


 ゆきかへる足音絶えて八月の江戸切り絵図に黄の道はあり


 詩のすゑはRに終はるゆふぐれを口に冷めたる白湯ふくむかな       岩岡詩帆




 
 酷暑とう包囲網なり迫りくるひかりを振り切るように加速す


 火よ  視野にひろがり続ける豊穣よ私はいま一つ隕石


 水底にたゆたいながら仰ぐ空  あなたの悔いはあなたのものだ


 季節から季節にうつるはるけさに一本の樹として君は立ち         古川順子





 水はある  あなたが燃やしてきた森にしずかに息をするようにある    小林朗人



 もう二度と家に帰れぬ友措きて我はこの世の風に触れゆく         高田芙美



 一億の人間に一億の世界がありてみな一人なり              雅風子



 
 
 靴脱いで波を追う君眩しくて夕焼けの色気づかないまま

 
 灰色のこの苦しみよ消えないであなたを想うひとつの証


 胸痛む思いでさえも尊くて紡いだものもまだ見ぬそれも          雪村ねこ




 日盛りにふさふ島唄  さなかづらとほながく  草、巻貝のこゑ     


 なよたけのおきふせる波  そはおん身 とはを懐ける不知火の海     保田斐佐子




 





 おことわりなしですが、心にとまった歌です。











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