午後のケア、キャンセル。はやめにもどる。
すこしずつうつろってゆく時間。あるいは褪せてしまう何か。
年を重ねたはてに、そのひとの原型のような姿が見える、ような気がすることもある。
それが明るさであるときは、うれしい。
衰えは、とどめようがない。おひとそれぞれの生き方の積み重ねが、晩年の時間を支えるんだろう。
うまれもった障害はさておき、このごろつくづくと、健康の大切を思う。
すこやか、それがいちばんだいじだ、と。
こころはときに、さまざまに岐路を迷う。
認知症……記憶の織りめが、ほころびてゆく。
そのすきまから漏れるものが、おだやかな明るさなら……。