少女時間、少年時間
すっかりおとなになってしまった今も、こころのどこかに濃い甘さで残っている夢の古巣。
ふと放心すると、かたちのさだかでない、曖昧なそのけはいがたちのぼってくる。
顔をあげて、正面のキリスト像を仰ぐと、復活の主のひとみがおおきく見える。
わたしは肩をすくめる。
御聖体は、今日もおいしかった。
ぱりり、とかるい音が口のなかではじけて溶けた。
画像は、ソフィー・アンダーソンの「鳥のうた」あるいは「さえずり」
アンダーソンは、耽美的なラファエル前派なのだけれど、とても健康的な少女たちを描くので好き。
ひょこっと、そこらの近所にいそうな女の子たち。