市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

森茉莉の少女に憂いあらざりきうちら凝(こご)るは唐草の蜜

2022-03-07 19:23:00 | Weblog

 思春期の少女の顔を描き始めた。

 モデルはヨーロッパ中世の彫像、それが非常にすぐれた傑作で、13、4歳の少女の繊細で緻密な内面と、面相を表現して素晴らしい。

 


 この美少女は目と眉の間が広くて、オリエンタルな風情もある。ゲルマン、アングロサクソン系の人は彫りが深く、そのぶん眼窩の影がやや濃くなる。
 東ヨーロッパやロシア、中東など、東西の遺伝子が混血する地域では、こうした陰りの少なく、しかし平板ではない美しさ、典雅な顔が現れる

 アンドレ・ジイドの「狭き門」のヒロイン、アリサの顔立ちを語り手ジェロームは「眉が高く、晴れやかで。。。憂いを含み」などなど形容していた。
 きっとこんな少女だったに違いないと思いながら、稚拙な油彩絵筆を進めている。

 そしてまた、この少女の、何か拗ねたような気位の高い横目遣いは、森茉莉の小説に出てくる美少女をも連想させる。

 愛と感謝。

 
 

コメント (2)
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