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時悠人chosan流処世術

★経済成長⇒賃金アップの幻想

2013-10-02 09:26:17 | 日記・エッセイ・コラム

 安倍総理が消費税増税を決断したが、経済成長重視のあまりに財政再建に対する本気度が霞んでいる。

 それは、1,000兆円を超える借金を抱えているのに、復興法人特別税の廃止姿勢にある。予想以上の税収増を財政再建に充当し、少しでも借りを減らすのが筋というもの。

 経済成長に主眼を置き、企業の国際競争力を強化するために、規制緩和や優遇措置を推進するとどうなるかは、過去の事実が能弁に物語る。

 2001年から5年半続いた小泉政権時代の経済成長は、戦後最長と言われ、企業収益は1.9倍になったが、サラリーマンの平均年収は逆に10%も下がり、実感を伴わなかった。

 代わりに増えたのが、企業の内部留保で、2012年には10年前の1.6倍の304兆円にまで膨れ上がった。この間、政府は、企業に対し、積極的な設備投資や給与改善を指導しなかった。

 もともと給与水準が高い日本人労働者の賃金を引き上げれば、海外市場でどうなるかを知っているからだ。一部の大企業を除けば、おこぼれ程度の賃上げで満足し、身の丈相応の生活をするのが賢明で、過度の期待は幻想に近い。