編集者から一通のハガキを渡される。出版社気付で小説家に送られたそのハガキは汚い文字が書かれていた。そこから始まる物語。中学生の一真は不良の転校生とその仲間からばあさんの駄菓子屋での万引きを強要される。店を出ようとした所で「万引きしてますよ」とはやし立てられる。そこが登との出会い。ディスレクシア、発達性読み書き障害。脳が文字を認識できないことから読み書きができなくなる。そして不良の親分の登さんと、一真との二人旅が始まった。登のために一真が小説を朗読する。登さんは字が読めないのに、内容を捉えることができる。そうした二人が小説を書こうとする。小説を研究し、物語を書く。沢山の本が登場し、小説の面白さが分析され、とんでも青年の登と真面目(だった)中学生一真、一真は高校生に。「インチキじゃない」小説を書こうとし、壁にぶち当たり、苦しくなったりする。本が早く終わってくれたらと思ったり、どうなるっちゃうんだとハラハラしたりで楽しめた。お薦めしたい。☆☆☆☆ほ。