『重力ピエロ』伊坂幸太郎 新潮文庫 2020-07-14 22:43:53 | 和物 兄の泉水と弟の春。春は美形で絵の才能にあふれる。この二人、そして両親にはとても悲しい過去があった。仙台の街に落書き事件が。春はそれを消すことを仕事とする。そして仙台に連続放火事件も。落書き、放火に関係が。病床にある父も含めて、謎解きをすすめると、そこに不思議な連鎖が見えてくる。ここに空き巣の黒澤も出てきてちょっと面白い。「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」ということなのだろうけれど、重い。それでいて話は滑るように展開していくのですね。☆☆☆☆ほ。