デビュー作が短編集。最初の長編というから深緑野分という人、驚きです。この作品と次の長編で直木賞候補。驚きです。何が驚きといって、舞台は1944年のノルマンディ。そこに降下作戦をする部隊にしてコックのティムが主人公。読んでいて、全く違和感が無い。しかもと言っては何ですが、女性なのです。落下傘部隊員にして特技兵としてはコック。アメリカの田舎町からヨーロッパに渡ってきたティム。同僚達とともに戦いながら、時に謎解きに。ミステリーという範疇を越えている。それぞれの人物がとても、とても、しっかりと描かれていて。まいった。☆☆☆☆☆。