カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『埋み火 Fire's Out』日明 恩 双葉文庫

2011-11-13 12:13:16 | 和物
 うずみびと読む。『鎮火報』に続く消防士大山雄大シリーズ第二作。ダチの祐二、工務店で働く小柄だがクールな街の哲学者。母親の民子、雄大を消防に引っ張り込んだ仁藤や、赤羽台第一ポンプ隊は藤田のオヤジ、生田の兄貴など健在。前作で活躍の自衛隊上がり星野は特殊消防隊(?)に転任していたが。祐二の工務店の現場に放火が。放火犯を張る所から始まる。そこに老人世帯の失火事件が相次ぐ。そこで出会ったのが中学生の裕孝。お姫様もいたが。それぞれの人間がとても活き活きしていていい。雄大と祐二のコンビはIWGPをちょっと思わせる所もあるが、これがいい。いやいや、そして事務職に上がることだけを目指しながら、現場では命懸けの消防士雄大の活躍。今回は謎解きよりも、人間というものがテーマ。家族とは…、である。☆☆☆☆ほ。


『ライオンの冬』沢木冬吾 角川文庫

2011-11-13 12:10:48 | 和物
 『償いの椅子』などで知られる沢木冬吾。2007年の冬、一人の刑事が結という女性のもとを訪れる。そして舞台は1992年、高校生の結が祖父と住む村に。山奥で猟師の祖父と二人。そのさらに奥の廃村に祖父の猟仲間が一人住む。そこに海外から調査に来たという数人。その通訳を務める男。彼らは実は祖父を守るためにいた。第二次大戦にまかれた種が、大きな転機を迎えることになる。老人達と襲撃者の戦いが始まる。実に面白い。プロットもしっかりしており、それ以上に、祖父とその友人、結たちの人間が実にいい。☆☆☆☆ほ。