カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『誇りと復讐』上・下 ジェフリー・アーチャー 新潮文庫

2009-09-05 19:57:53 | 洋物
 アーチャーの『百万ドルをとり返せ』が新潮文庫から出たのが1977年というから、もう30年以上前。政治家、小説家、囚人実に数奇な運命を辿る作家の最新作。当方としては久々のアーチャーである。幼馴染との結婚。ダニーはベスの兄で親友三人とともに祝いの酒を。三人はロンドン下町育ち。そこにいたアッパークラスの酔っ払い四人と出合ったところから、話は一気に展開する。ベスの兄バニー、アッパークラスとの喧嘩のはずが、ダニーが殺人罪で逮捕。裁判の後に刑務所へ。ダニーの復讐が始まる。どこか、古めかしい感じがする。デーヴィット・コッパーフィールドみたいな善玉と悪玉。マイ・フェア・レディみたいなアッパーとミドルもしくはその下の言葉までも違うイギリス。これにイングランドとスコットランドという別の国。アメリカより馴染のない裁判制度。知っているつもりでいろんなこと知らなかったなぁ、という気になる。時々、インターネットとか出てきて、ああ、これは現代、21世紀の小説なんだと思い出したり。一種古典的な展開だが、流石に読ませる。おかげで寝不足となった。☆☆☆☆。