主人公デニス・ミルンはロンドン警視庁刑事部の巡査部長。この警官(刑事)が三人の男を殺すところから始まる物語。正義感に燃えて警察に入り、銃の過剰使用で回り道。法が善人のためではなく、犯罪者に味方するものであると知り、次第に自身が汚れていく。それでいて優秀な頭脳を持った警官。一方で殺し屋でありながら、犯罪を追う。三人殺しの捜査の輪がせばまっていく中で、売春婦殺人と少女誘拐を追う。実に奇抜な設定と、不思議なリズムで読ませる。これもノアールに入るのだろうか。はたまた警察モノなのだろうか。次作も独特の設定でこれがこの作者の持ち味。☆☆☆ほ