千恵子@詠む...................

リンクにて開く世界は万華鏡 あれやこれやと交差の果てへ

血縁は関係ないの映画なり 「万引き家族」是枝裕和

2018年06月04日 | 詠む

映画「万引き家族」

21年ぶりにカンヌ「パルムドール」なので、先行上映を見に行った。

昨年の「三度目の殺人」の是枝裕和監督が、脚本と編集もやってる。

冒頭に万引き少女。小学生が親と一緒に組んでやってる衝撃! と思ったら、少年。

万引き家族とあるが、全員が万引きしてるわけじゃない。生活費の足りないぶんを盗む。貧困ゆえだ。

そのうち日雇い人夫の父モドキは、現場で怪我をするが労災はおりない。

クリーニング店で働く母モドキ安藤サクラは、時短のすえに解雇。

「学校に行くのは一人で勉強できない奴だ」とつぶやく祥太、存在感ある。

コロッケに釣られてきた幼児は、体に傷がついてるが「転んだ」と嘘をつく。妹モドキ。

女子校の制服を着て風俗店バイト姉さんも、家族モドキ。

そして家主である婆さんモドキ樹木希林この前と顔が違うなあと思ったら、入れ歯をはずして役作りしてるんだ。

疑似家族だが、実際の家族よりも絆は強い。だが、個人商店や庶民から盗んで良いのか? 駄菓子屋が閉店した張り紙を見て、少年は考える。

矛盾は破綻を生む。そして決壊する。

母性。既成の母性と違う、そう血縁じゃないよ。安藤サクラは敢闘賞もの。

ポスターに「盗んだのは、絆でした」と、ちいさな文字。

しゃれた音楽だなあと思ったら、細野晴臣。佳作。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする