チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第83話 あめふり

2007年06月25日 | チエちゃん
 あめあめ ふれふれ かあさんが
  じゃのめで おむかい うれしいな
  ピッチピッチ チャップチャップ
  ランランラン
      かけましょ かばんを かあさんの
      あとから ゆこゆこ かねがなる 
      ピッチピッチ チャップチャップ
      ランランラン
  あらあら あのこは ずぶぬれだ
  やなぎの ねかたで ないている
  ピッチピッチ チャップチャップ
  ランランラン
      かあさん ぼくのを かしましょか
      きみきみ このかさ さしたまえ
      ピッチピッチ チャップチャップ
      ランランラン
  ぼくなら いいんだ かあさんの
  おおきな じゃのめに はいってく
  ピッチピッチ チャップチャップ
  ランランラン 

 洗濯物の心配も農作業の心配も関係のないチエちゃんは、雨の日がすきでした。
赤い長靴、赤い傘のチエちゃんは、学校の帰り道、舗装されていない田舎道のあちこちにできた水たまりに、わざと入ってはじゃぼじゃぼとかき混ぜます。
時折、走ってくる車に、泥水を掛けられぬよう、傘でブロック。
蜘蛛の巣に付いた雨粒をチョンと突けば、バラバラと落ちる。
ピッチ ピッチ、チャップ チャップ、ラン ラン ランだ。

雨の日曜日には、
ツートン、ツツートン、ツートン、ツートン、ツツートン・・・・・・
電線を伝う雨粒をぼんやりと眺める、夢見る少女でした。
 とはいうものの、雨はたまに降るからよいのであって、3日も続けば、お日様が恋しいチエちゃんなのでした。