チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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もみじ

2008年10月29日 | チエの玉手箱
文部省唱歌に「もみじ」がある。
二部合唱のきれいな曲だ。

 村の2つの小学校は、毎年秋になると合同音楽会を開催していました。
3年生以上が参加していたように覚えています。
学年ごとに演目が決まっており、奇数学年が合唱なら、偶数学年は器楽合奏という具合で、その演目は1ヵ月後に催される学芸会の出し物にもなっていたのでした。

それぞれが演奏を終えると、一番最後に参加者全員で合唱をしました。
その曲目が「もみじ」でした。
この曲は、私が在籍している間、一度も変わることはありませんでした。
ですから、4年間、毎年、毎年、音楽会の前になるとこの曲を練習したことになります。
3・4年生がメロディを歌い、5・6年生は低音パートを歌います。
前半部は追いかける輪唱で、後半にハモるのです。

40年近く経った今でも、この曲を聴くと自然に低音パートを歌ってしまいます。
子供の頃にしっかりと覚えたことは、いつまでたっても忘れないものですね。

 秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)
  濃いも薄いも数ある中に
  松をいろどる楓や蔦は
  山のふもとの裾模様

 

ブログ2周年に思う・・・

2008年10月25日 | チエの玉手箱
何もわからないままに突然ブログを開設して、2年が過ぎた。
スランプに陥るたび、もう止めてしまおうかと何度も考えた・・・

特に、昨年の今頃はひどかった。
精神的なダメージに更年期が重なり、感情のコントロールができなくなっていた。
毎日泣いていたように思う。
感情が高ぶって、眠れないこともあった。
そんな中で、私はコメント疲れを起こしていた。
コメントを受け付けない設定にしてしまったこともあった。

もうブログなんか止めてしまおう・・・
でも、その度にこうも思った。

止めてしまえば、一時的に楽になるかもしれないけれど・・・
そのあとで、きっと後悔するにちがいない。
二度とこの場所には、戻れなくなってしまう。
止めることは、いつでも出来る。
もう少しだけ、続けてみよう・・・


こうしてまた、新たな1年が始まる。


手 相

2008年10月17日 | チエの玉手箱
 ほら、これ、手首に向かって弧を描いているのが、生命線だって
 あなたの長い、長い!80歳まで生きるわ・・・

 オレ、そんなに生きたくねえなあ・・・
 オレのほうが絶対に先に逝くから、よろしくな・・・

 何言ってんの、どっちが先かなんて、そんなのわかんないじゃない
 明日、私が事故に遭うかもしれないのよ

 大丈夫さ、おまえの生命線は長いぞ、90歳まで生きるさ


 結婚線はこれだよね、小指の下
 男性は右手、女性は左手だって、銀座の母がよく言ってる
 よかったあ!あなたのもくっきりした線が1本、チエも1本よ








でも、私のは先が2つに分かれてるの。 
この先、どんな別れが待っているのだろう・・・・・
 

第155話 すずらん通り

2008年10月13日 | チエちゃん
 よし、じゃあ行くぞ!

さっきセールスから受け取ったばかりのニイサンマルのキーを回しながら、ヒロシが言った。

 行くって、どこへ?

 決まってるじゃねえか、すずらん通りさ!

 すずらん通りって、何か買い物でもあるの?

 クルマ買い換えた時は、すずらん通りを流すのが決まりなのさ!

 何それ! バカじゃないの!

                    





「じゃあ、行きましょうか?」
「どこに?」
「あら、クルマ買い換えた時はすずらん通りを流すんじゃなかったの?」
「なに言ってんだ、ガキじゃあるまいし、第一、あんなとこ走ったら、マフラー擦っちまうだろ・・・」

 

ケンケンパ

2008年10月09日 | チエの玉手箱
 小学生の頃、私はよくこの遊びをした。
友達数人とやるときもあれば、弟と二人でやるときもあったし、ひとりきりではゲームとしてつまらないのだけれど、ひとり二役でやることもあった。
放課後の学校でも、家の庭でも遊んだ。

 壊れた自転車のリムを利用して、地面に棒で丸を描いてゆく。
最初は、縦に2つ、その先に横に並べて2つ。
これで、まずは「ケンケンパ」の出来上がりだ。
続けて、「ケンパ ケンパ ケンケンパ」と丸を描く。
ひとり1個ずつ平たい石を見つけて、ゲームの開始だ。

 1つの○の中には片方の足だけ着くことが出来る。両足を着くと負けになる。
だから、○が1つの所は一本足で、ケンケンをして進み、「パ」の所は、横に2つ○が並んでいるから片方ずつ足を着いて両足で立つことができるのだ。

 これだけでは、おもしろくも何とも無い。そこで、石が登場する。
ケンケンをする前に、一番手前の○に石を投げ入れる。
石がある○には、足を着いてはいけないというルールがある。
○1つとばして、ケンパ ケンパ ケンパ ケンケンパと飛んでゆく。
戻ってくる時に自分の石を拾ってくる。
メンバーが一巡したら、2番目の○に石を投げ入れる。

だんだん遠くの○なると、円内に命中させて、石を投げ入れることが出来なってくる。すると、ペナルティが科され、メンバーの石があちこちの○の中の存在し、○2つを片足で飛び越えなければならないことになったりするゲームだ。
残念ながら、細かいルールまでは忘れてしまった。

チエちゃんと同じ年代の方なら、説明するまでもなく、ご存知ですよね。
このゲームは、地方によって、形が○△□だったり、ルールが微妙に違っているようですけど。

 あの頃は、陣取りゲームとか、砂を使ったアイス棒倒しとか、とにかく地面を使った遊びをしていたような気がする。

 ケンケンパは、今も子ども達に受け継がれているのだろうか・・・
 

第154話 新興宗教

2008年10月01日 | チエちゃん
 おじいちゃんは、数日前からおなかの調子が変だと感じてはいたのですが、高齢のためか、痛みもなかったので普段と変わらない生活をしていたのです。
ところが、救急車で病院に搬送された時には、盲腸が破裂して癒着し、腹膜炎を併発していたのでした。

 そんな入院騒ぎの真っ最中に、おじいちゃんの妹、ミヨおばさんがやってきました。
「あんちゃ(おじいちゃん)がたいへんなごどになった。今ここで、仏様にすがって、有難いお経をあげなければ、あんちゃは助からない!」
そう言うと、入院準備にそれどころではないお母さんとおばあちゃんを仏壇の前に無理やり座らせ、お経を唱え始めました。

チエちゃん家では、それまでまったく知らなかったのですが、ミヨおばさんは新興宗教にかぶれていたのです。
おじいちゃんのために一心不乱に祈っているミヨおばさんを無碍に断わることもできなくて、その場は為すがままに任せてしまったのでした。

 幸いおじいちゃんは回復し、退院すると、早速ミヨおばさんがやってき来たのです。
「あんちゃが助かったのは、私が信仰している○○△様のお陰だから、入会しなさい」と言うので、元々信心深いおじいちゃんは入会しました。
 さて、それからが大変でした。
毎週、隣町で開催される集会に出かけ、布教活動のたびに会費だ、お布施だ、旅費だとおじいちゃんは相当な出費を強いられたようでした。
それは、一年ほど続いたのでしょうか。
とうとう、おじいちゃんの年金も底をついてしまい、目が覚めたのか、ミヨおばさんを説き伏せ、やっとこ脱会したのだということです。

 あの頃、確かにおじいちゃんは仏壇に向かって熱心にお経をあげていたことを覚えているチエちゃんですが、こういった事情はおじいちゃんがすっかりボケてしまってから、お母さんからこっそりと教えられたのでした。

あの時は、本当に大変だったのだと。お金が無くなって、おじいちゃんもどうしようもなくなったんだろうと。