チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第185話 夏越大祓人形祭

2010年07月31日 | チエちゃん
 かあちゃん、それなあに?
 お母さんは、さっきから変な紙切れに、家族の名前と年齢を書きこんでいたのでした。

 これが?今日は、熊ん様の人形祭りだがらな
 人形祭り?

 毎年、7月30日は、熊野神社で夏越しの大祓い人形祭りが行われました。
祭りが近づくと、神社から、家族の人数分の小さな人型の紙が配られます。
それに、家族一人一人の名前と年齢を書き込み、息を三度吹きかけ、身体を撫でます。
特に、痛いところとか、具合の悪いところを念入りに撫でるのです。

 当日、その人形をもって熊野神社へお参りし、初穂料とともに納めます。
人形が私たちの代わりとなって、罪穢れが祓われるということです。

 また、神殿の真ん前には、茅の輪が設けられ、これを八の字に三度くぐりぬけると、夏中健康で過ごせるとも言われておりました。

 チエちゃんは、おじいちゃん、おばあちゃんと熊ん様へ出かけたものでしたが、人形を納めた後、しゃっちょこばって神前に座っていると、神主さんが人形に書かれた名前を何処そこの誰某と、祝詞の口調で読み上げるのが可笑しく、自分の名前が読み上げられると、こそばゆい感じがしたものでした。



 暑中お見舞い申し上げます。
 
 今年は、特に猛暑が続いていますので、どうぞご自愛くださいませ。

第184話 回覧板

2010年07月17日 | チエちゃん
「チエー、上の家に回覧板持って行って!」

「うん、わかった~ たかひろ、いっしょに行こう!」

「上の家」というのは、お隣のことです。
チエちゃんの家は、山の中腹にありましたから、県道から坂道を登って行きます。
坂道は、途中で二又に分かれ、右へ行けば、チエちゃん家。
さらに登れば、お隣、つまりチエちゃん家より高い場所にあったので、通称「上の家」と言うわけです。

「上の家」のおばさんは、チエちゃんたちが回覧板や、おすそ分けを持っていくと、必ず、お駄賃として、子どもが喜びそうなお菓子をくれたのです。
そして、「お利口だね」と、いつも誉めてくれました。
 だから、チエちゃんも、たかひろくんも、お隣に回覧板を届けるのが楽しみでした。
お家にもある駄菓子なのに、おばさんからもらったお菓子は、誉め言葉の魔法がかけられ、特別おいしく感じられたのでした。

 チエちゃんが、中学生や高校生になって、もうお菓子をいただくような年齢じゃないからと断っても、おばさんは何かしらチエちゃんの手に握らせれくれたものでした。

 おばさんが、脳梗塞で亡くなられてから、上の家は空き家になり、先日の豪雨で土砂が家の中に入り、一部損壊したとの知らせがありました。

さよならV70

2010年07月10日 | チエの玉手箱
いよいよお別れだね。

ホント言うと、でかい図体のキミを、ちょっと持て余していたよ。
あの事故以来、ヒロシは私がより安全性の高い車を運転するよう選んでくれた。
それも、彼の愛情の現われだと感謝しているけどね。

洗車や室内の掃除をサボってばかりで、ごめんね。
せめて最後くらいきれいにしてあげたかったけど、
無駄なことするなって、しかられそうだから・・・

でも、頼りにしてたよ。
4WDのターボで、力があったし、荷物をたくさん積み込めたし、
エアコンは冷え冷えだったし、布張りのシートはお気に入りだった。

まだまだ、活躍出来そうなのに、スクラップだなんて、ホントひどいよね。
つい、減税って言葉に惹かれちゃったんだよ。
今度のヤツはさ、ハイブリッドって、エコで、ハイテクなんだよ。

5年間、毎日、私と付き合ってくれて、ほんとにありがとう。

凍み大根

2010年07月04日 | チエの玉手箱
季節はずれなのですが、画像を失くしてしまいそうなので・・・書くことにします。

画像は、実家の母の手作りの凍み大根です。
筍の季節に、いつも届けてくれます。
筍の煮物には、身欠き鰊と凍み大根がよく合うからです。

凍み大根の作り方は、
銀杏切りにした大根を茹でて、平らなざるなどに並べ、冬の寒い時期に戸外に出して、凍らせて水分を除きます。さらに、カリカリに乾燥するまで天日に干して完成です。
この地方では、大根を丸のままか、縦二つ割にして15cm位の長さに干したもの(作り方は同じ)を凍み大根と呼んでいますが、実家では、細かく切って干したものをずっと使っています。

15分~20分ほど水に浸し、戻してから、使います。
また、このままでも食べることが出来て、甘味があり、お日様の味がします。

天日に干しただけのものですから、湿気に大変弱く、梅雨入り前まで使い切ってしまうのが、基本です。
我が家には、筍も乾物も食べられない人がいるので、残ってしまいました。
もったいないですね。