チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

ようこそ! チエちゃんの昭和めもりーずへ

はじめての方は「チエちゃん」のカテゴリからお読みいただくことを推奨しています。 もちろん、どこからお読みいただいてもかまいません。

第75話 おひるね

2007年06月01日 | チエちゃん
 チエちゃんは幼稚園に通ったことがありません。なぜなら村には幼稚園がなかった(常設保育所もなかった)からです。
チエちゃんの弟、たかひろ君が村立幼稚園の第一期生です。

 しかし、チエちゃんのには季節保育所がありました。
農繁期になると、公民館を利用して臨時の保育所、季節保育所が設けられたのです。村が補助金を出し、設置していたのかもしれません。
 お父さんやお母さんが農作業で忙しい時期に中の幼児たちは、この季節保育所で過ごしたのです。
保母さんは資格を持った人というわけではなく、近所のおばさんでした。
チエちゃんのおばあちゃんもお手伝いをしていたのか、暇つぶしなのか、時々チエちゃんと一緒に1日を公民館で過ごしたものです。

 紙芝居を読んでもらったり、「むすんでひらいて」などの手遊び歌を教わったりしましたが、それ以外は自由遊びです。
 砂場で泥団子を作っておままごとをしたり、用水路で水遊びをしたり、お友達と楽しい時間を過ごした後、お昼ご飯が済むと、チエちゃんの苦手な時間がやってきます。

 それは、お昼寝の時間です。

 子供用の小さい布団を並べて、一斉にお昼寝をするのです。
布団に横になり、目をつぶっても、なかなか眠くはなりません。
眠れないので、隣同士ヒソヒソおしゃべりをしていると、おばさんに叱られてしまいます。
それで、眠ったふりをして、じっと息を殺しているのですが、これがつらいのなんの。

 おうちで、昼寝をする時にはこんなにつらくないのに、眠らなければと思うほどに目が冴えて、隣から寝息が聞こえてくると、「○○ちゃんは、寝ちゃった、いいなあ」と思うチエちゃんなのでした。

 それでも、いつの間にか眠ってしまい、気が付くと、一番最後まで寝ているチエちゃんでした。