チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第77話 やったあ!給食だ!

2007年06月07日 | チエちゃん
 前回「お母さんのサンドイッチ」で、チエちゃんは学校へ"お弁当"を持っていったお話をしました。給食はなかったのでしょうか?

 チエちゃんの通う小学校では、チエちゃんが入学した時には給食がありませんでした。

 2年生になった時に、ミルク給食が始まりました。
50代の方ならお分かりでしょう。脱脂粉乳(断じてスキムミルクなんてしゃれたものじゃない)を使ったミルクです。
 クラスの人数分が入った大きなアルマイトのミルクポットから、これまたアルマイトの食器にミルクを注いでいただくのですが、子ども達の口に入る頃には生ぬるくなっており、不味いことが多く、苦手とする子が大勢いました。
せめて、アツアツなら、もうちょっと美味しくいただけるのですが、これはこれでアルマイトの食器のフチが熱くて、冷めるまで飲めなかったのです。

 そして、3年生の途中からビン牛乳へと変わりました。
やっと脱脂粉乳から逃れられたと、みんな喜んだものでした。
時折、付いてくるココア味の粉末ミルメークに人気がありました。

 それから、4年生の4月、ようやく待ちに待った完全給食が始まったのです。
チエちゃんは、給食にどんなものが出てくるのか、それはそれは楽しみでした。

コッペパンにマーガリンまたはジャムとビン牛乳、アルマイトのお皿のおかずが一品、ミルク給食の時に使っていたおわん型の食器に汁物のおかずが一品。
そして、時々バナナなどのくだもの。
これらが金属製のトレーに載った物が、定番の給食でした。

 チエちゃんの期待通り、給食のメニューにはこれまでチエちゃんが食べたことのないおかずがありました。
カレーシューやクリームシチュー、スパゲッティナポリタン、ポークビーンズ、ハムカツ、・・・・・・・
 それまでは和風の献立しか知らなかったチエちゃんですが、給食を通して洋風の献立を知ったのです。
あの頃は食文化も、欧米に追付け追い越せの時代だったのでしょう。

 チエちゃんは好き嫌いはあまりありませんでしたが、チーズとトマトが苦手でした。チーズは以前食べてまずかったからであり、トマトはチエちゃんの家では栽培しておらず、給食には酸っぱいトマトが丸ごと出ていたからです。
残してはいけない給食のお陰で、今ではこの2つは大好きになりました。