チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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ノストラダムスの大予言

2008年02月29日 | 昭和なもの
 昭和49年('74年)頃、五島勉著「ノストラダムスの大予言」がベストセラーになったことがありました。

 何でも、450年前のフランスの予言者ノストラダムスが現代を予言していたというのです。
ジェット機や車社会、大気汚染等の公害、原子爆弾の発明や、ヒットラーの出現、ケネディ大統領の暗殺までも予言していたというのです。
なかでも極めつけは、1999年7月に空から恐怖の大王が降ってきて、人類は滅亡するというものでした。

 当時、高校2年だった私も、学校の図書館から借りて読んだように記憶しています。
その頃の私にとって、「死」は考えるだけで底知れぬ恐怖が湧いてきたものでした。
1999年、私は41歳。
遥か未来のその時、私は一体何をしているのだろうか?

まさか、そんなことあるはずがない。
ノストラダムスの大予言なんてデタラメだと思いつつも、なぜか私は41歳で死ぬと頭の片隅にインプットしたようです。


 さて、1999年、私はノストラダムスの大予言を覚えていました。
今年7月に何が起きるのだろう?

何処かの国の大統領がとんでもない決断を下し、核ミサイルの発射ボタンを押してしまうのかもしれない。

月ぐらいの巨大隕石が地球に向かっていることをNASAは隠しているのかもしれない。

笑えるけど、密かに真剣に考えていたのでした。
まあ、死ぬ時はみんな いっしょだから、怖くないさ・・・
けれども、皆さんもご存知のとおり、1999年は平穏に過ぎて行きました。

もしかしたら、予言の解釈が間違っていたのかもしれません。
だとしたら、その時はいつ?

 

第138話 銅 鏡

2008年02月25日 | チエちゃん
 思い起こせば、あれが始まりだった、チエちゃんはそう思うのです。

 高1の夏休みを前にした最後の地理の授業で、桧山先生が言ったのです。

夏休みの宿題を出す!
地理でも、歴史でも、何でもいい、自分の住んでいる地域に関することをテーマに、レポートを提出すること。
出さないヤツは、テストの成績が良くても0点だ!!

エエッ~~~! 何それ~~!

 この桧山先生、入学したばかりのチエちゃんたちに向かって、何かというと、
「ハイ、ここ重要!! 必ず、大学入試に出る!」と言いまくる、いけ好かないヤツだったのです。

 とにかく、何かやらなければ・・・・・

 そこで、思いついたのが、チエちゃんの村に養蚕を伝えたという小手姫様のことだったのです。不動様から50mほど先の姫が住んでいたとされる場所には、小さな社が建っており、そこはおじいちゃんの散歩コースのひとつでした。
熊ん様の宮司さんに聞けば、詳しいことが分かるかも知れないというお母さんのアドバイスで、早速、聴きに行きました。
 宮司さんから、さらに隣町の旧家に姫が使っていたという銅鏡を保存しているお宅があると教えられ、そこのお宅へ連絡を取り、鏡を見せてもらうことになったのです。

 真夏の太陽の照りつける中、自転車を漕いでたどり着いたそのお宅は、古い萱葺き屋根の大きな家でした。玄関の土間は昔の作りそのままで、ひんやりとした感触が心地良かったことを覚えています。
応対に出た腰の曲がったおばあちゃんは、早速奥から、しわくちゃの新聞紙に包まれた銅鏡を出して見せてくれました。お姫様のお宝ですから、さぞや立派な桐箱などに納められているのだろうと想像していたチエちゃんは拍子抜けしたのでした。
直径10cmほどの銅鏡は、所々、緑青がでて、錆びついており、チエちゃんが姿を映そうと覗き込んでも、一向に見えるものではありませんでした。
 そして、おばあちゃんの家で鏡を預るようになった経緯を尋ねても、
「さあーてなあ、なんでだが分がんねげんちょも、小手姫様の鏡だってごどだない」と、収穫はなかったのです。
とにかく、その銅鏡を写真に納めて、お礼を言い、帰途に着いたのでした。

 それから、チエちゃんはどのようなレポートを作成したのか、すっかり忘れてしまいましたけれど、歴史への興味だけは持ち続けることになったようなのです。

泊瀬部天皇

2008年02月21日 | チエの玉手箱
泊瀬部天皇(はつせべのすめらみこと)は、天國排開廣庭天皇(あめくにおしはらきひろにはのすめらみこと)の第十二子なり。母をば小姉君(をあねのきみ)と日(もう)す。稲目宿禰(いなめのすくね)の女(むすめ)なり。<略>
二年の夏四月に、橘豊日天皇(たちばなのとよひのすめらみこと)崩りましぬ。
   <中 略>
 八月の癸卯(みずのとのう)の朔甲辰(ついたちきのえたつのひ)に、炊屋姫尊(かしきやひめのみこと)と群臣と、天皇を勸め進りて、即天皇之位(あまつひつぎしろしめ)さしむ。蘇我馬子宿禰を以て大臣とすること故(もと)の如し。卿大夫(まえつきみ)の位、亦故の如し。
是の月に、倉梯に宮つくる。
 元年の春三月に、大伴糠手連(おおとものあらてのむらじ)が女小手子(むすめ こてこ)を立てて妃とす。是蜂子皇子と錦代皇女とを生めり。
   <中 略>
 五年の冬十月の癸酉(みずのとのとり)の朔丙子(ひのえねのひ)に、山猪(いのしし)を獻(たてまつ)ること有り。天皇、猪を指して詔して曰はく、「何の時にか此の猪の頸を斷るが如く、朕が嫌しとおもふ所の人を斷らむ」とのたまふ。多くの兵仗を設くること、常よりも異なること有り。壬午(みずのえうまのひ)に、蘇我馬子宿禰、天皇の詔したまふ所を聞きて、己を嫌むらしきことを恐る。儻者(やらかひと)を招き聚めて、天皇を弑せまつらむと謀る。
 是の月に、大法興寺の佛堂と歩廊とを起つ。

 十一月の癸卯(みずのとのう)の朔乙巳(きのとのみのひ)に、馬子宿禰、群臣を詐めて日はく、「今日、東國の調を進る」といふ。乃ち東漢直駒(やまとのあやのあたいこま)をして、天皇を弑せまつらしむ。或本に云はく、東漢直駒は、東漢直磐井が子なりといふ。是の日に、天皇を倉梯岡陵に葬りまつる。
或本に云はく、大伴嬪小手子、寵の衰えしことを恨みて、人を蘇我馬子宿禰のもとに使りて曰はく、「頃者(このごろ)、山猪を獻(たてまつ)れること有り。天皇、猪を指して詔して日はく、『猪の頸を斷らむ如く、何の時にか朕が思う人を斷らむ』とのたまふ。且(また)内裏にして、大きな兵仗を作る」といふ。是に、蘇我馬子宿禰、聴きて驚くといふ。
 丁未(ひのとのひつじのひ)に、驛使(はいま)を筑紫將軍の所に遣して曰はく、「内の亂(みだれ)に依りて、外の事を莫(な)怠りそ」といふ。

 是の月に、東漢直駒、蘇我嬪河上娘(そがのみめかはかみのいらつめ)を偸隠(ぬす)みて妻とす。河上娘は、蘇我馬子宿禰の女(むすめ)なり。馬子宿禰、忽(たまたま)河上娘が、駒が爲に偸(ぬす)まれしを知らずして、死去りけむと謂(おも)ふ。駒、嬪を汙(けが)せる事顯(あらは)れて、大臣の爲に殺されぬ。
(岩波書店 日本古典文學大系第68巻「日本書紀 下」より抜粋)

おもちゃ

2008年02月17日 | チエの玉手箱
男って、どうして、こんなものが欲しいの?

乗り心地だって、けっしていいわけじゃないし、

制限速度100km/hの日本で、300km/hもスピードメーターが付いてるのって、必要なの?

馬鹿高い、おもちゃ・・・

でも、知ってたよ。

ずっと、あこがれてたって・・・・・


男の罪、女の罪

2008年02月13日 | チエの玉手箱
   ♪わがままは 男の罪
    それを許さないのは 女の罪・・・

 特別に「チューリップ」のファンということではなかったけれど、この「虹とスニーカーの頃」の冒頭の歌詞が、なぜか気になっていた。
なるほどなあ!男と女の関係を上手く言い表しているなあと思った。
それでかどうか知らないけれど、私は物分かりの良い女になろうとした。

だから、いつだってあなたのわがままを許してきた・・・
あなたのやりたいことも、欲しい物も、「いいよ」って言った。
あなたと一緒に、夢も追いかけてきた。
私なりに支えてもきたつもり・・・
でも、今回だけは、あなたのわがままを許すわけにはいかない。
私たち、もう、出逢った頃のように、若くはないのよ・・・
お願いだから、私の言うことを聴いて。

   ♪若かった 何もかもが
    あのスニーカーは もう捨てたかい


インベーダーゲーム

2008年02月09日 | 昭和なもの
 今や、ゲーム機は子どもだけではなく、大人もターゲットにしているようです。
ゴルフゲーム(ちょっと古いのかな?)や脳トレーニングゲームにはまっている人もいるのではありませんか?

 なつかしのファミコンも、最新のテレビゲーム機も、全ての始まりは「スペースインベーダー」ゲームだったと、私は思うのです。
 昭和50年代の前半、インベーダーゲームが流行しました。
どこのゲームセンターにも、大概の喫茶店にも、インベーダーゲーム機が置いてありました。
1回100円。3回敵のミサイル(?)に当ると、ゲームオーバー。
もう1回やるためには、また100円を投入しなければなりません。だから、上手くなるためには、1日何千円、何万円と使ってしまった人も、もしかしたら、いたんじゃないのかな?
 私は、見てることが多かったけど、ヒロシやナオちゃん、タロサたちは、喫茶店にはいると必ずインベーダーゲームをしてたっけ。名古屋打ちとか、攻略方法があったりして、随分とはまっていました。
 きっとね、ファミコンを考えた人は、あのゲームをお家で、思いっきりやってみたいと考えたに違いないと思うんです。
 前回の記事を書いていて、チラッとこんなことを考えました。

第137話 DOHCって、なに?

2008年02月05日 | チエちゃん
 「また逢って欲しい」と言われたものの、実のところ、チエちゃんはヒロシが本当に逢いに来るとは思っていなかったのです。それは、儀礼的なあいさつであると受け止めていたのです。
ところが、ゴールデンウィーク旅行の翌週、ヒロシはチエちゃんを誘いに、ひょっこりやって来たのでした。
当時は、携帯電話もありませんから、メールなどもありません。今考えると、どうやって連絡を取り合っていたのかなと不思議に思えるほどです。
それから、毎週デートを重ね、二人が恋人同士になるまで、多くの時間は掛かりませんでした。

 デートは、カーショップ巡り、お定まりの観光地へのドライブ、或いはタロサ・ナオちゃんとダブルデートをして、喫茶店でインベーダーゲームに興じたり、タロサのダートトライアルレースの応援に行ったりしたのでした。恋人同士の二人には、何処へ行くかよりも、とにかく会うこと、一緒にいることが大事だったのです。
 そんな中で、タロサとナオちゃんの部屋へよく遊びに行きました。
男の子達は、集まれば車談義に花を咲かせます。話の中に入れないチエちゃんは、ナオちゃんと女の子同士のおしゃべり・・・
 でも、好きな人の好きなことは何でも知りたい。
 それで、チエちゃんはヒロシと二人きりになったとき、質問攻めにしたのでした。

 DOHCって、何?
 DOHC? ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフトのことだよ!
 だから、その「ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト」って、何?
 なんだよ、めんどくせえなあ!
 いいか、エンジンてのはな、筒状のシリンダーにピストンが付いてるんだ。
 そこに燃料を入れて、プラグの火花で爆発させて、ピストンを上下させて動くんだ。
 シリンダーの中にガソリンと空気を出し入れするのが、バルブだ。
 このバルブを開け閉めするカムシャフトがエンジンの上についてるから、オーバーヘッドカムだ。
 カムシャフトが2本付いてるからダブルさ。
 どうして2本だといいの?
 1本は吸入、1本は排気専用なんだ それに4バルブって言うだろ?一つのシリンダーに吸入バルブ2コ、排気バルブ2コ
 そうっか!それだけ早く入れて、早く出せるんだ。
 そうさ、効率がいいんだ。

 ふ~ん、じゃあ、ターボって何?
 もう、いい加減にしろよ、いいか、ターボっていうのはな・・・

第136話 お父さん(その2)

2008年02月01日 | チエちゃん
 おじいちゃんと実の母親が離婚してから、お父さんは母親を恋しいと思ったことはなかったのでしょうか?
 お父さんは、大人になってから、一度だけ母親を見かけました。
東京の競馬場でした。やつれて、髪はボサボサ、酷い身なりをしていたのですが、すぐに母親だと気付きました。
しかし、とうとう声をかけることはできませんでした。
もう、自分とは関わりのない人だと思ったのでしょうか?
それとも、下手に声をかけ、お金の無心でもされたら困ると思ったのでしょうか?
その姿に哀れを感じたということです。

 お父さんは、お酒が苦手でした。
おじいちゃんが酒乱であったことから、「自分はああなりたくはない」と飲まなかったのかもしれませんが、実際コップ1杯のビールで真っ赤になり、お酒に弱かったのです。こんな所は、チエちゃんも似てしまいました。

 チエちゃんにとって、お父さんは近くにいても、遠い存在でした。
一年のうち半分近くは家にいないのだし、お祖母ちゃん子のチエちゃんはお父さんがいてもいなくても、何にも困ることはなかったのです。
それに、思春期ともなれば、パンツ一丁で家の中をうろつき回るお父さんに、嫌悪感を抱いていたし、共通の話題もありませんでした。
 だからといって、全く影響を受けていないのかといえば、そうでもなくて、時代劇好きなところは、間違いなくお父さんと一緒にチャンバラを見ていたせいでしょう。

 それに、男性を見るとき、お父さんが基準となっているような気もします。
お父さんみたいな人とは、絶対に結婚しないと思っていたのに、何となく体型が似ていたりします。
チエちゃんは、痩せている人はダメです。頼りない感じがするからです。

 チエちゃんの結婚式の時、最初から最後まで、泣き通しだったお父さん。
チエちゃんは、その時初めて知ったのでした。
お父さんが、こんなにもチエちゃんのことを愛していてくれたことを。