チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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同級会Ⅱ その6

2010年04月28日 | チエの玉手箱
 ノリコは、遣り手の女性社長だ。
若い頃には病院の栄養士をしていたのだが、いつの間にか事務長をやっていると思ったら、今では独立して介護福祉関係の会社を経営している。

「ねえ、ねえ、ねえ、いつも中学の同級会ばかりじゃない?
 また、6年1組のクラス会、やろうよ!」
「うん、いいんじゃない。小木先生招待して!」と、きぬが賛成する。

「みつおくんも来れるよね?」と、ノリコは話をふる。
「ああ、オレはいつだってOKさ!」

「ミノルっち、音頭とってよ。」
「よし、段取っぺ。ついでに、山口も呼んだらいいんでねえが?」
「そうねえ、恩師には違いないもんねえ。
 ご夫婦お揃いで、来てもらおうか?
 そういえば、昔、山口のこと、みんなでいじめたことあったよねえ。」
「あった、あった。誰が最初に、いじめたんだ? みつおだろ?」
「オ、オレじゃねえよ。そういうミノルじゃねえのか?」

「あたしさぁ、・・・
 前にも6年1組のクラス会やったじゃない。
 あの時、うちのダンナに会場まで送ってもらったのよ。
 着いたら、会場にダンナが居るじゃない。
 今、別れたばかりなのに、どうしてここに居るのって思ったよ。
 そしたらねえ、小木先生だったの。白髪の感じなんかもそっくりでさぁ、
 最初から似てるって思ってたけど、これほどそっくりだとは驚いちゃった。
 あたし、初恋を引きずったまま、結婚しちゃったんだなあって思った。」
と、舌を出した。

ノリコ、そうだったのか・・・・
私にだって、似たような想いがある。
いや、きっと、他のみんなにだってあるはずだ。
男子にだって、あるはずだ。

私たちには、小木先生の最初の教え子だっていう誇りがある。

 

同級会Ⅱ その5

2010年04月23日 | チエの玉手箱
 受付を済ませると、私は真っ先に参加者名簿に目を走らせた。
そこにコウジの名前が無かったことで、ホッとした。
コウジに会ったら、どんな態度をとったらいいのか?
そのことばかりを考えていたからだ。

 ミノルっちを捕まえて、尋ねてみる。
「コウジ、どうした?」
「ああ、変わんねえ。同じだ。とんでもない妄想ばかっりだ。
 ヒロキもなんだぞ!
 あいづ、会社の金に手をつけて、刑務所に入ってヨ。」
「ウソ!? ホントなの?」
「ああ、ほれがら、あいづもおがしぐなっちまってよ。
 躁うつ病だ。」
「信じられない。あんなに愉快なコだったのに・・・」

「それはそうと、久美ちゃん、なんで亡くなったの?」
「いや、妹に訊いても、何にも言わねんだ。
 親戚一同にも、かん口令が敷かれてるって、話だ。」

 私は、嫌でも悪い想像をしてしまう。まさか・・・


一体、みんなどうしたっていうの?
私たちの年代は、そんなヤワじゃないはずよ。

私だって、抱えているものがないわけじゃない。
だけど、がんばって生きていこうと思ってる。

それとも、がんばりすぎちゃったっていうの?


つづく


慈徳寺の種まき桜

2010年04月19日 | チエの玉手箱
 昨日の日曜日、地元紙の桜開花情報に掲載される有名な桜ということで、慈徳寺(じとくじ)の種まき桜を見に行きました。
場所は、県営あづま運動公園の近くにあります。
もう咲いたかなあと大いに期待していたのですが、まだ三分咲きくらいでした。
残念! それでも、すてきなピンク色をしていました。
前日に降った雪が、少し残っていましたので、この辺りは気温が低いようです。
それでも、大勢の観光客が訪れていましたよ。

 
 樹齢は350年以上と伝えられ、見事な枝振りを見せています。
昨年行った芳水の桜は、この樹の子どもにあたるそうです。

 
 桜越しに望む里山。

 
 よくわかりませんが、ありがたそうなので写真に収めてきました。

 

第180話 腕時計と万年筆

2010年04月17日 | チエちゃん
 真新しい制服に身を包んだチエちゃんは腕時計を覗き込むと、うれしさに自然と笑みがこぼれました。
その腕時計は、高校入試に合格した翌日、これから毎日通うことになる高校のある町の時計屋さんへ出かけ、お父さんに買ってもらったものでした。
高校生になったら、腕時計を買ってもらえる。
これは、チエちゃんたち世代にとっては、合格のご褒美という暗黙のルールだったと思います。
要するに、小学生になったら、ランドセルと机を買ってもらえるといった類のものです。

 初めて訪れた時計屋さんの店員さんは、流行の腕時計をいろいろ取り出して見せてくれました。
当時、まだ電池式はなく、自動巻き式が流行っていました。
そして、その頃、もっとも新しいデザインは、文字盤がカラーもの。
でも、その時計はとっても高くて、チエちゃんはそれが欲しいと口にすることが出来ませんでした。結局、チエちゃんが選んだものは、手頃な値段のシンプルなシルバーの時計です。
 それでも、人生初めての腕時計は、高校生になった証。とってもうれしいものでした。

 もうひとつ、高校生になったら買ってもらえるのものに万年筆がありました。
これも、腕時計を買った同じ日に買ってもらいました。
本体が白で、キャップの部分はゴールド。ブルーのインクを入れていました。
 チエちゃんは、この万年筆で日記を書き始めたのです。
三日坊主にならないよう、とにかく毎日、日記帳を開くと決めました。
「○月○日 今日は特になし」が並んでいたっけ。


 今の子供たちにとっての腕時計と万年筆は、何に替わったんだろう?
携帯電話だろうか? いやいや、携帯電話は小学生でも持っている。
ゲーム機かな? パソコンかな? 
それとも、物があふれている今では、そんなものは無くなってしまったのかもしれないな・・・

雪の回廊

2010年04月13日 | チエの玉手箱
 先週の土曜日、実はもう一箇所、お出掛けをしました。
ここ数年、毎年毎年、磐梯吾妻スカイラインの雪の回廊が見たいと言っていた私を主人がドライブに連れて行ってくれました。

 地元なのに、地元だからこそなのかもしれませんが、スカイラインを走るのは、20年ぶりくらいで、雪の回廊を見るのは、もちろん初めてです。まんぞく、まんぞく。でも、以前は、もっと高い壁だったんじゃないかと思います。高い山でも雪が少なくなっているんですね。5月の中頃まで見られるそうです。

 
 吾妻山からは、すごい噴煙が上がっていました。この噴煙は、我が家からもはっきりと見えるほどです。この辺りは風下なので、硫黄臭がしました。「有毒ガス注意!」の看板も出ています。

 
 スカイラインから望む福島盆地。左側に小さく信夫山が見えています。

行ってきました!花咲まつり

2010年04月10日 | チエの玉手箱
 昨日の記事に書いたとおり、「ひらた花咲まつり」に行ってきました

  
 県道148号線のJAガソリンスタンドの信号を右折します。
 見どころは、3箇所くらいあるようですが、一番奥の「蛇音山(じゃおんざん)」に行きました。

  
 案内人の方がいたので、上り口を見つけることができましたが、そうでなければ、見落としていたことでしょう。なにしろ、似たような景色です。平日は、案内看板も取り外されてしまうそうで、地元の人に教えてもらわないと行けそうもありません。上方に見えている杉並木の道を登っていきます。

  
 200m程登ると、くぼ地の斜面にこのような花木畑が出現します。
花見山と同様、花木農家の私有地を開放しているようです。
まだ、3分咲きというところで、満開ともなれば、さぞや見事なことでしょう。
しかし、やはり花見山と比べるとまだまだ規模が小さいです。

  

  
 帰りには、テントに立ち寄り、自家製甘酒をご馳走になりました。

蛇音山は、こちら



 100選の花咲山は、ここから行くのではないかと・・・(たぶんです)


  

 


 

花咲まつり

2010年04月09日 | おしらせ
 「市民フォト ふくしま夢通信」に掲載された記事です。
これによると、花咲山は、県道148号沿いではなく平田地区(福島市山田)にあるようです。
 ちょうど、4月11日・12日に「ひらた花咲まつり」が開催されるようなので、明日行ってみたいと思います。
手作り甘酒の振る舞いや採れたて野菜の販売もあるそうなので楽しみです。
地図は、こちら  明日のレポートをお楽しみに!
思いっきり、私信で、すみません。



春を探しに

2010年04月07日 | チエの玉手箱
 先週の土曜日、花咲山の場所を確認しようと出かけました。
S.T.M.さんに紹介した手前、私自身が知らないのでは申し訳ないですから。
まだ、寒い寒いと思っていましたが、吾妻山には、もう雪うさぎが出現していました。
この辺りでは、吾妻山の残雪の形がうさぎになると、作物の種をまく時期であることから、種まき雪うさぎと呼んで、親しんできました。(写真では、よく見えませんね)

 さて、花咲山ですが、カーナビに住所を入力して、県道148号大森水原線を南下、ナビの通りに進んでみました。
途中、墓地の中に形の良いしだれ桜を発見。これは、期待できそうな予感です。

  

 ところが、入力した地点に到着しても一向にそれらしい所が見つかりません。
とうとうあきらめて、帰ってきたのですが、本日回ってきた回覧板の資料を見ると、どうも場所が違っているようです。
今週もう一度、挑戦したいと思っています。

 それでも、桜前線は、そこまで来ています。しだれ桜のつぼみがこんなに膨らんでいましたよ。

  

同級会Ⅱ その4

2010年04月01日 | チエの玉手箱
 シンイチと話し込んでいる所へ、きぬがやって来ました。

「あたし~、小学校の時、ず~っとシンちゃんのことが好きだったのよ。
 ねえ、気づいてた?」
「いや、知らなかったよ。そうだったのか?」
「うん、そう、すご~く好きだったの。ほんとに気づかなかった?」
「困ったなあ~」

 きぬは、どちらかというと、おとなしい女の子でした。
私たちの時代、ほとんどの女子の名前は「○○子」だったのに、彼女の名前には「子」が付いていません。
その古めかしいひらがなの名前が珍しくもあり、おしとやかな印象の彼女のことが、うらやましかったことを覚えています。
その彼女がパッチリメイクをして、少女のようにキャピキャピはしゃいでいるのを見ると、今回全く違った印象を持ったのです。

「あたし~、子供の頃は、一つ違いの姉と比べられて、出来のいいお姉ちゃんには絶対に勝てないって、いじけてたの。
 自信がなかったのよ。自分を抑えて生きてた。
 でも、お姉ちゃんが就職していなくなって、あたし、はじけちゃった!
 自分がしたいようにしていいんだって、その時、気づいたの!」

 彼女は車の運転が大好きで、東京から一人車を飛ばして、しょっちゅう帰ってきているのだといいます。
以前の彼女からは、想像もつかないことです。

 ちょっとしたきっかけで、人はこんな風に変われるのだと感心しました。
変わるというより、本来の彼女を表現することが出来たのでしょう。

 つづく